夏休みの宿題といえば「自由研究」。毎年ユニークなテーマがあるが、今年は“きょうだい喧嘩”を真剣に調べたものが、Twitterで話題となっている。
小学6年の長女(11)、小学3年の長男(8) 、幼稚園年長の次女(5)、幼稚園年少の次男(3)の父親である「4児の父」さんが投稿したのは、長女の自由研究を撮影した画像。
テーマは「どうしてきょうだい喧嘩がおこるのか?」。
長女さんは7月下旬からの約10日間、自分を含めた4人きょうだいで起きた“100バトル”を調査。喧嘩の時間、誰と誰がしたのか、原因、結果といったデータを取り、徹底的に分析したのだ。
約10日間で100バトル…4人きょうだいならそのくらい喧嘩するのかなと想像しつつ、この自由研究のきっかけの欄を見てみると「私のきょうだいでは、1日に1回は絶対するほど喧嘩が多いです。私は、喧嘩がおこらないきょうだいになってみたいなと思っていました。」と書かれている。
最もバトルしたのは「長女VS長男」
分析の一部を紹介すると、「だれvsだれが多いのか」で最も多いパターンは「長女VS長男」の38回。「長男VS次男」の21回、「長男VS次女」の20回と続いたほか、3人でバトルすることもあったという。喧嘩に関わった回数は、長男が85回、長女が47回、次男が42回、次女が34回だった。
そして、喧嘩の原因は、1位の「たたく」(26回)、2位の「取り合い」(20回)が多く、このほかには「じゃまをする」「おす」など。中には「こちょこちょをする」といった、可愛らしいものもあった。
また、「ちょっかいか自己主張のどっちが多いのか」という独特の視点の調査結果は、ちょっかい66回、自己主張34回となっていた。
さらに喧嘩が起こりやすい時間帯は、昼39回、夜38回、朝23回で昼と夜が多いという結果など、あらゆる角度からきょうだい喧嘩を分析しているのだ。
家族に話も聞いていて、次女は「仲良くしたい」、次男は「みんな大好きだよ」、そして1番喧嘩が多かったはずの長男は「喧嘩はしていない」とコメント。ちなみに、お父さんは「全ての親が気になる疑問に対して興味深いデータがとれましたね」となっている。
この結果は話題となり、投稿には「きょうだいって良いなと少し羨ましく思いました」といった反応が次々と集まった。いいねも28万4000以上寄せられている。(8月25日時点)
長女さん「喧嘩を減らしたいなと思った」
大人顔負けの完成度だが、喧嘩の当事者でもあるだけに、喧嘩しながら調査もしなくてはいけないのでなかなか大変だっただろう。
まずはご本人の長女さんに話を聞くと、調べた理由は「喧嘩を減らしたいなと思ったから」だという。
また、どんな状態を喧嘩としたか聞くと「だれかが泣いたりイヤがったりしたら『喧嘩』としました」ということで、バトルはちょっとしたことだとすぐに終わるが、バチバチになることもあるのだとか。
最後に、研究結果を踏まえて、喧嘩が起きないように取り組んでいることを聞くと「私はなるべくちょっかいをかけられたりしても喧嘩を広げないようにがまんするようにしています」とお姉ちゃんらしい答えが返ってきた。
では父親の立場から見て、きょうだいはどんな関係なのだろうか。4児の父さんにも聞いてみた。
――4人はどんな子ども?自由研究をどう思った?
長女は真面目でちょっと天然。コミュニケーションがうまく、本が好きです。長男はまわりをよく見てて優しいです。照れ屋で恥ずかしがりです。次女は気が強いです。慣れるまではビビリで甘えん坊です。次男は人懐っこさは一番あって、誰にでもグイグイいきます。怖いもの知らずです。(きょうだい喧嘩の自由研究は)聞いたことないし、記録をとるなんて面白いと思いました。
――長女さんは自分が喧嘩をしているときもデータをとっていたの?
自分が喧嘩してるときも、喧嘩が終わる、または途中に机にあるメモ用紙に書きにいく感じでした。それを見た長男は「書くなー」と叫んでいたこともありました。変ですよね。僕はむしろちゃんと記録した方がいいと思ってたので、「あ、やってるやってる」と感心してました(だめですね)。
――喧嘩は多いの?どんなことで起きる?
他の家庭がわからないので何とも言えないですが、4人なのでその分は多いかもしれません。長男が構いたくなるのが多いです。みんな基本的にお互いに譲り合うのがないのもあります。ここは教育中です。
遊び方の違いなのかもしれません。体を動かしたり、ゲームするときも、長男は激しく遊ぶタイプ、長女や次女は落ち着いて慎重に遊びたい。次男は激しいけど年少なのでまだ小さい子の遊び。そのぶつかり合いがあったりします。
一番喧嘩の多かった長男くんも普段は優しい
――長男くんはどんな感じ?普段の関係性は?
長女や妻がいないときは、次女や次男の面倒をよく見てくれます。洗濯物を畳んだり、食べたお皿を洗ったり、片付けなどの手伝いも。朝起きたときに、そっとまだ寝てる妹に布団をかけてあげたりもします。長女や長男と僕でよく行く登山のときも喧嘩することなく、助けあって気遣いあって登ってます。
――研究結果を受けて、父母から4人に伝えたことはある?
4人しかいないのだから仲良くしなさい。大きい子は小さい子の言うことを聞く。小さい子は大きい子の言うことを聞く。恥ずかしい話、“One for all , all for one ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために”ポスターでも作ってやろうかとも考えてます。
――話題となったが読者に伝えたいことは?
兄弟姉妹ワイワイガヤガヤ、とても仲良く楽しくやってます。きょうだい喧嘩は壮絶なときもありますが、それも経験。度が過ぎない限りは見守っています。度が過ぎたとき、強烈な雷が落ちることは子どもたちも理解しています。自由研究を見ていただいてありがとうございました。
4児の父さんは「それぞれの夢を見つけて、いろんな世界を見てほしいです」とも話していた。バトルも成長と共に落ち着いていくはず。もう少し成長してから、今回の自由研究をきょうだい4人で見返してみたら、きっと笑い話になるだろう。
(画像提供:4児の父さん)