医師や看護師をいち早く事故現場などに運ぶため、「空飛ぶ救命救急室」とも呼ばれる「ドクターヘリ」。

秋田県内では秋田市の秋田赤十字病院に配置されていて、導入から2022年で10年となった。その「ドクターヘリ」の1日に密着。医師や看護師、運航を支える人たちを3回シリーズで伝える。

ドラマでも話題の「ドクターヘリ」に密着

通信センターに駆け付ける医師。ヘリで患者のもとに駆け付ける「フライトドクター」だ。フライトドクター・ナース、操縦士、整備士。要請を受けると運航クルーが即座にヘリへ。

出動までは約7分。命を救うために…この速さが、1分1秒を争う現場を支えている。

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毎朝開かれるミーティングには、この日運航に携わるクルーが参加し、天候などフライトに必要な情報を確認。ドクターヘリの1日が始まる。

ドクターヘリが出動するのは、患者を病院から別の病院に搬送するとき。そして、事故などで緊急に患者の治療が必要なときだ。
例えば事故が起きて、消防が「出動が必要」と判断した場合、病院にドクターヘリの出動を要請する。

その後、救急隊とヘリは「ランデブーポイント」と呼ばれる合流地点で合流し、医師が初期治療にあたる。
治療を終えると患者をヘリに乗せ、経過を観察しながら医療機関に搬送する。

ドクターヘリの運航に欠かせない…高い技術もつCSの存在

「空飛ぶ救命救急室」ドクターヘリに密着。
1回目は、消防の要請が入る通信センターにスポットをあてる。ヘリ運航の中枢を担う、CSの役割とは…

CS・中津研司さん:
秋田ドクターヘリホットライン中津です。救急現場ですか?鹿角厚生病院ですね、ちょっとお待ちください、天候確認します。もしもし鹿角厚生病院です。行けますか?

消防からの要請を受け、運航クルーに出動を指示するのがCS(シーエス)= Communication Specialist(コミュニケーション スペシャリスト)。
航空会社から派遣された通信の専門家で、この日の担当は中津研司さんだ。

CS・中津研司さん:
常に「どの方面に行けるのか」と機長をサポートしつつ、出動したら医療クルーと運航クルー、消防の連携がうまくいくように、潤滑油として動くような感じですね

要請をクルーに連絡するだけでなく、出動後は、ヘリが現場に着くまでに要請内容やランデブーポイントなど必要な情報を簡潔に伝える。

CS・中津研司さん:
消防と、じかに一番最初に接する部分ですので、消防との信頼関係を築いていくうえでの役割を果たせているのかなと。スタートラインの一番の発起点なのかなと思っていますけどね

ヘリの機動力を生かすため、的確で迅速な判断と、情報を正確に伝達する力で現場を支えている。

ドクターヘリの運航には、高い技術を持つ専門家の存在が欠かせない。

(秋田テレビ)

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