愛媛県の南に位置する松野町。町おこしのために活動している2人の「地域おこし協力隊」に、それぞれ違った、そしてどちらもすてきな松野自慢を教えてもらった。
協力隊おすすめ(1) 自然豊かな広見川
車で10分ほど走れば高知県という、県境にある松野町の真土地区。流れているのは広見川で、緑も多くセミの声も聞こえる自然豊かな地域だ。

まずはじめに松野町を案内してもらう協力隊は、松本綾乃さん。真土橋の上で待ち合わせ。

名護谷希慧アナウンサー:
大きい川ですね
松本綾乃さん:
そうなんです。川もそこまで深くないので、ちょっとのぞくと魚が泳いでるのが見えますし。あっ、そこにいます
名護谷希慧アナウンサー:
あっ、ほんとほんと
話しているそばから魚を発見。

「この景色がすごく好きで、ここに来てはぼーっとする」という松本さん。松野に来たら寄ってほしい一番のお気に入りスポットなんだとか。
協力隊おすすめ(2) 四国で一番〇〇な駅!
続いて案内してもらったのは、「四国で一番〇〇」なスポット。
名護谷希慧アナウンサー:
えっ、ここからですか?
松本綾乃さん:
そうです。ここから上がります

名護谷希慧アナウンサー:
入り口はないんですね
案内してくれたのは小さな無人駅。JR予土線の真土駅だ。
松本綾乃さん:
このホームが、四国で一番短いホームって言われているみたいで
名護谷希慧アナウンサー:
四国で一番!確かにすごくコンパクト

なんと、真土駅のホームは四国の駅で最も短い約25メートル。知る人ぞ知る「四国一」の名所だ。

ところで松本さんは、なぜ松野で協力隊の活動をしているのか?
松本綾乃さん:
ボランティアとか、学生のころから参加するのがすごく好きで。自分のことより人のために何かして感謝してもらえるって、すごくうれしいことだと思うので
「見てもらいたいものがある」と言って取り出したのは、地域住民に配っているという「真土新聞」。

名護谷希慧アナウンサー:
手作りですね。イラストのこの方は?
松本綾乃さん:
私をイメージして描きました。このときパーマをあてていたので。これ、私です(笑)

手描きの自己紹介カード「真土新聞」。コロナ禍で地域のイベントもなくなる中、何とか自分のことを知ってもらいたいと作ったところ、地元の人たちにもとても好評で、なんと続編もあるとか。
松本綾乃さん:
「ファイリングしてるよ」と言ってくれて。えっありがとう!うれしい!って
協力隊おすすめ(3) 味が濃くて甘い「まっちゃんトマト」
続いて訪れたのは、農業用ハウス。
松比良健さん:
待ったぞ!
松本綾乃さん:
お世話になっている松比良さんです

松比良さんが見せてくれたのは、赤くつやつやなトマト。作り始めて10年以上の「まっちゃんトマト」だ。

松比良健さん:
つやがよかろ。長年作るけん愛着があるけんね
名護谷希慧アナウンサー:
味が濃い。甘い甘い
松本綾乃さん:
甘いですよね、フルーツトマトみたい
名護谷希慧アナウンサー:
どうですか、町に若い人が入ってくるのは
松比良健さん:
楽しいよ、話も弾むしね。会うた時はよ、わざわざ行ったらね、1人やけん。かわいそうなけんね

松本綾乃さん:
それでも来ますけどね。ガラッて開けて(笑)
松比良健さん:
その代わり、なんか持っていくけんね
釣った魚や野菜などをいつも差し入れてくれる面倒見のいい「松」比良さんが、「松」野町の「真土(まつち)」で作るから「まっちゃんトマト」。名付けたのは妻の八重子さんだ。

妻・八重子さん:
(松本さんは)たまたま娘と名前が一緒でね、親しみが湧く
名護谷希慧アナウンサー:
そこが大きいんですね
妻・八重子さん:
大きいよね。やっぱお父さんも言およるもん、「綾ちゃんが、綾ちゃんが」って
松比良健さん:
協力隊の時だけじゃなしにね、ずっとね、松野に来てよかったなってことを思い出してくれたらいいと思います
松本綾乃さん:
お野菜とか、松比良さんもそうですし、家の前に置いといてくれるんですよ。でも誰か分からない感じで。それを主張しない。それが当たり前、助け合って当たり前

協力隊おすすめ(4) 自然の岩に登って楽しむ
続いて訪れたのは、滑床渓谷。

すると、大きな岩をよじ登る人の姿が…。

佐藤巧さん:
今、ボルダリングをやっていて
巨大な岩でボルダリング?実はこの方…。
佐藤巧さん:
宮城県の国体選手とか、クライミング、ボルダリングも含めてやっていました

名護谷希慧アナウンサー:
国体の選手だったんですね
佐藤巧さん:
そうです。えひめ国体にも参加してたんですよ
続いて案内してもらうのは、協力隊の佐藤巧さん。国体をきっかけに愛媛に移住した。活動のキーワードは「登って楽しむ」で、県内外のクライマーと約1年かけて滑床渓谷で登れる岩を探してきた。

佐藤巧さん:
ここら辺、ちょっと濡れてますけど足を置ける所がある
名護谷希慧アナウンサー:
このちっちゃいスペースに足を置くんですか?
佐藤巧さん:
置ける所があるだけよくて。他の岩だとこういうツルツルの何もないところに、靴の摩擦だけで抑える
例えば、この岩の登り方は8パターンもあるという。

一番簡単なものだと、手を使わず足だけで楽々と頂上に着いてしまった。

佐藤巧さん:
クライマーって欲張りなので、隅の隅まで岩の全部を楽しみたい。できるだけ低く、できるだけ高く
木々と清流がおりなす滑床渓谷は、散策や川遊びに最高のシーズンを迎えている。そんな自然美あふれるフィールドで、佐藤さんは新たな魅力を見いだした。

名護谷希慧アナウンサー:
自然の岩でのボルダリングの魅力は?
佐藤巧さん:
同じものがないっていうところですかね。岩の一つ一つに味があって、この遊びには終わりがない。そういうところです。地方はいろんな可能性を持っているので、僕もその可能性をできるだけ引っ張って発見したいなと思っています

魅力いっぱいの松野町。ぜひ訪れてみてほしい。
※野外でのボルダリングは危険を伴います。自身の実力とリスクを考慮した上で、ルールとマナーを守ってご利用ください。
(テレビ愛媛)