8月5日に日本やアメリカ、中国、北朝鮮なども加わって地域の安全保障について話し合うARF=ASEAN地域フォーラムの議長声明案が4日、明らかになった。

南シナ海情勢 引き続き「懸念」表現盛り込む

声明案では、中国による軍事拠点化が進む南シナ海情勢に関し、引き続き「懸念」の表現を盛り込み、「緊張を高め、地域の平和、安全及び安定を損ねる可能性がある」「非軍事化及び自制の重要性を強調する」として、名指しを避けながらも中国をけん制している。

FNNが入手したARF議長声明案
FNNが入手したARF議長声明案
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また、中国とASEANが策定を目指している紛争防止のための「行動規範」については「早期締結に向けた実質的交渉の進展に勇気づけられている」と進展を強調している。

朝鮮半島情勢 対話継続の重要性を強調

一方、北朝鮮は今年、弾道ミサイルの発射を繰り返し、核実験に再び踏み切るリスクも指摘されている。

ARFは北朝鮮が参加する数少ない多国間協議の一つですが、カンボジア外務当局によると、崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は欠席し、駐カンボジア大使が出席する見通し。

声明案では朝鮮半島情勢について「非核化された朝鮮半島における恒久的な平和と安定を実現するため、すべての当事者による平和的な対話の継続の重要性を強調する」としている。

また、拉致問題についても触れていて「一部の国が、拉致問題の解決を含め国際社会が人道的に懸念している問題に取り組むことの重要性を強調した」としている。

ウクライナ情勢

ロシアによる軍事侵攻で戦闘が続くウクライナ情勢については、ロシアの名指しや「侵略」の表現は避け、「平和的解決のための環境作りの重要性を強調する」とした玉虫色の内容となっている。

国際取材部
国際取材部



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