18日にデビューしたばかりの韓国のボーイズグループ「1VERSE（ユニバース）」。
早くも世界中から注目を集めています。
注目される理由は、メンバーの出身地にあります。
ケニーさん（22）とネイサンさん（24）はアメリカ、アイトさん（20）は日本。
そして、ヒョクさん（25）とソクさん（25）は北朝鮮の出身です。
全く異なるルーツを持ったメンバーたちで結成された異色の5人組、それが「1VERSE」です。
北朝鮮北部の咸鏡（ハムギョン）北道で生まれたヒョクさんは、2013年に脱北するまで、貧しさから過酷な日々を送っていたといいます。
北朝鮮出身・ヒョクさん：
9歳の時から外で物乞い生活をしながら、悪いこともたくさんしたし、食べていくためにやれることは全部やったと思います。
その日の食事にも困るほどの貧困生活。
北朝鮮ではこのところ、韓国のドラマや音楽の視聴を厳しく禁じる法律が制定されるなど、外国文化の排除が強く推し進められています。
ヒョクさんも、脱北するまで韓国文化に触れたことはないといいます。
北朝鮮出身・ヒョクさん：
（韓国文化に接したことは）ほとんどありません。このような韓国の土地があること、他の土地があることすら知りませんでした。メディアで北朝鮮の人はこうだというと、それを聞いた人は私に実際に会ってもそう思うんです。私はそうじゃないのに。
時には差別的な扱いも受けたといいますが、逆境を乗り越え、韓国で出会ったラップの技術を独学で磨き続けました。
もう1人の脱北者メンバーで、ボーカル担当のソクさん。
2019年に脱北するまで中国との境界付近の街で育ち、ヒョクさんとは対照的に家が比較的裕福だったことから、ノートパソコンなどでひそかに韓国の音楽に触れていたといいます。
北朝鮮出身・ソクさん：
PSYさんの『江南スタイル』も見ましたし、SUPER JUNIORさんの『SORRY,SORRY』など色々見ました。
K-POPに魅了された経験が、アーティストを志すきっかけとなりました。
北朝鮮出身・ソクさん：
私は音楽にたくさん慰められたので、私も誰かの慰めになる歌を歌える、そんなアーティストになりたい。夢があれば努力すれば夢をかなえられるということを見せてあげたいです。
他のメンバーは、北朝鮮出身の2人から学ぶことも多く、その存在がグループの魅力にもつながっていると話します。
日本出身・アイトさん：
北朝鮮という名前を聞いた時は、「おお、おおお…」みたいな反応だった。（2人とも）よく面倒をみてくれたりして、（自分たちと）変わりないなと思いました。
アメリカ出身・ケニーさん：
ヒョクも、とても詩的な感性を持つ人なんです。（私たちは）多様な感情を見せることができて、それを世の中の人々に見てもらいたいです。
アメリカ出身・ネイサンさん：
私たちはお互いに異なる文化的背景を持っているので、それぞれの文化をチームの中に持ってくることができ、お互いから学んだりもします。
異色の5人組グループ・1VERSE。
これからのK-POP界にどのような風を吹かせるのか、注目です。
