新型コロナウイルスの感染が拡大する中、お盆シーズンを前にSNS上では「東京から脱出」の声も。めざまし8は、行動制限のないこの夏、葛藤する人たちを取材しました。

東京都は行動制限・帰省自粛は求めず

帰省する人でごった返す羽田空港で出会ったのは、佐賀県に帰省する家族を見送りに来たという父親。

家族を見送りに来た父親:
東京よりかは安全じゃないのかな、というのはありますね。空港や駅などを除けば、やっぱり人が少ないだろうなと

お盆まで仕事が残っている父親は東京に残り、一足早く家族を帰省させるといいます。

実はこの家族と同じように、新型コロナの感染拡大が続く都市部を避け、あえて地方へ帰省
しようと考える人は少なくありません。SNSには「東京コロナ多いし脱出する」「東京が1番感染者多いのだから、東京から地方に行くのは逆に安全ではないのか」という声も見られます。

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東京都では7月31日に3万1541人の感染を確認。12日連続で前の週の同じ曜日を上回り、日曜日としては初めて3万人を超えました。

小池都知事は30日、「8月21日までを自分、そして大切な人を守る特別期間と命名し、感染の防止対策を一層徹底してもらう」と呼びかけながらも「旅行、県境をまたがないでくださいということは、今回は申し上げておりません」と、行動制限や帰省自粛は求めない方針であることを述べました。

帰省を見送る人、帰省すると決めた人

お盆の帰省シーズンが迫る中、帰省するのか、それとも帰省しないのか?私たちに任されているのが現状です。街からは悩む声も聞かれました。

帰省しないと決めた人:
帰れたらいいなと思っていたんですけど、ちょっと今の状況でまた感染者数が増えているのもあって、(帰省は)ないかな。万が一、無症状とかで実は私たちがコロナに感染していて、親たちに移してしまうというのを考えると…。

また他にも「帰省しない」と決断した人は、その理由を「東京よりも田舎の方が敏感。東京から来たとなると、実家の周りの方からも色んな目があって、言われたりすると言っていたので。ストレスや心配をかけてしまうなら、見送って落ち着いてから帰りたい」と語りました。

中には帰りたくても帰れないという人も。京都の大学に通っているという女性は…。

帰省を断られた人:
京都の大学生で、下宿をしているんですけど、実家が横浜にあって。それで親にいつ帰ろうかなって相談した時に「今はコロナがすごいから 帰ってこない方がいいよ」って言われて。

家族から「帰ってこない方がよい」「帰ってこないでほしい」と言われるケースもあると言います。その一方、あえて「帰省する」と決断した人もいました。

香川に帰省することを決めた人:
悩みました。両親も高齢なので、本当に来て欲しくなかったらどうしようかなっていうのもあったんですけど。昨日電話をして「気をつけながら、検査をして帰ってきてもいいよ」という事だったので。子どもが大きくなるにつれてスケジュールを組むのが大変になってきて、今年、来年行けなかったら、もうしばらく帰れなくなるかもしれないと思って。

静岡に帰省することを決めた人:
緊急事態宣言が出ていたら気持ち的にも引けるけど、今のところ出ていないし、ワクチンも打っているし。注意して帰れば大丈夫かなって。

キャンセル料発生で「予定通り決行」も?

帰省を決行するか中断するか悩む要因として、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、国内線の予約状況が、2021年に比べてJALだと192.2%、ANAも166.8%になっていることから「感染拡大で迷っている人も多いが、今年は緊急事態宣言などの措置がなく、キャンセル料が発生することもあり、帰省や旅行を強行する人もいるのではないか」と指摘しています。

めざまし8では、番組放送中に「今年帰省をするか?しないか?」というアンケートを実施。2万3469件の回答結果は以下のようになりました。

帰省する:37.3%
帰省しない:62.7%

コロナの感染状況だけが判断の基準ではありませんが、帰省しない人の割合がやや多い結果となっています。

(めざまし8 8月1日放送)