価格の高騰が続く、アルミ缶を狙った犯行。その一部始終を防犯カメラがとらえていた。

防犯カメラに気づき、向きを変えようと何度も試みる

福岡市内の障害者施設の駐車場に設置された防犯カメラの映像。施設の駐車場に1台の車が侵入してきた。

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車から出てきた男が足早に向かったのは、駐車場の後ろに置いてある袋の山。中には大量のアルミ缶が入っている。

男は車のトランクにアルミ缶を入れ、駐車場から出ていったかと思いきや…。

再び駐車場に戻ってきた。防犯カメラに気付いたのか、男は手にコーンを持っていた。そして何と、防犯カメラの向きを変えようと試みる。

しかし向きは変わらず、男が次に持ち出したのは脚立。自らの手で防犯カメラの向きを変えた。

施設によると、この2日後にも同様の被害に遭ったという。

「工賃を得るため利用者が汗を流し…」施設側憤り

2日間で盗まれたアルミ缶はあわせて300kg。金額にすると7万円相当となる。

(Q. なぜアルミ缶が狙われたのか)

施設担当者:
金額が高騰しているというのもあると思うんですが…

実はこのアルミ缶、ただのゴミではなく施設の利用者が工賃を得るためにひとつひとつ潰したもの。

アルミ缶を小さく踏み潰したものを久山町にあるリサイクル工場に持って行って換金し、施設利用者たちの工賃として支払っているという。

施設担当者:
暑い中、頑張って外でたくさん汗をかきながら取り組んでもらってましたので、憤りを感じますね

犯人に対して思うことを尋ねると…。

施設担当者:
地域の方々も含めて、いろんな人に集めていただいた大切な資源なので、こういうことは絶対にやめていただきたい

アルミ缶は自治体の収入源になる資源ゴミ。一般的に自治体は回収したゴミの中からアルミを分別してリサイクル業者に運び込み売却するが、福岡市では2020年度に回収したアルミだけで5900万円もの収入があったという。

一方でアルミ缶などの家庭ゴミの持ち去りが増加している現状もある。福岡市には2021年度、前年の2.6倍の苦情が寄せられている。

背景にはロシアのウクライナ侵攻によるアルミ価格の高騰もあるようだが、自治体の収入源にもなるアルミ缶。今後、アルミ缶持ち去りの対策が求められる。

施設側は警察に被害届を提出しているということだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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