牛乳ショックで酪農家悲鳴 エサ代1.5倍に「廃業が進む可能性も十分…」 10月以降は更なる値上げも【広島発】
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牛乳ショックで酪農家悲鳴 エサ代1.5倍に「廃業が進む可能性も十分…」 10月以降は更なる値上げも【広島発】

乳牛の餌となる配合飼料。コロナの影響でこの配合飼料が大幅に値上がりしている。ピンチに追い込まれる酪農業を取材した。

原因はコロナ 値上がりはいつまで続くのか

牛を育てる上で欠かせない配合飼料、日本国内では約9割を輸入に頼っている。

この値上がりの原因として、ウクライナ情勢や円安が思い浮かぶが、これらの要素はほとんど反映されていない。実際には、コロナ禍による輸入制限やコンテナ船の不足、原油価格高騰による輸送コストの増加などが原因として考えられる。

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2020年度の配合飼料の販売価格は1キロ当たり68円だったが、2021年度は1キロ当たり81円に上がった。それが2022年7月には1キロ当たり約98円に。2年前の1.5倍となっている。

値上がりの実態について関係者は…。

県酪農業協同組合 温泉川寛明 代表理事組合長:
今後もさらに値上がりする可能性があるとメーカーから通達があった。言っていることは分かるが、このままでは酪農経営が全然ついていけない

3カ月に1回行われる配合飼料の価格改定。この値上げがいつまで続くのか。まったく先が見えない状況だ。

「エサは減らせない」「きつい」困惑する酪農現場

久保アグリファーム 久保正彦社長:
配合飼料は搾乳するためには不可欠なものなので、工夫して配合飼料の量を減らすということはできない。乳牛それぞれの乳量に応じた配合飼料を与えられているかなどを精査して、あとは経費をどれだけ削減するかという努力をしている状態

酪農家は乳業メーカーに搾乳した生乳を販売している。生産コストが上昇した分、生乳の販売価格を上げれば酪農家の収入が増えて問題が解決するのかというと、そう簡単な問題ではない。

販売価格を上げると瞬間的に消費が下がる。消費が下がる分、生産者は生産抑制に協力してほしいということが、必ず交換条件として返ってきてしまうのだ。

(Q:生産者としては厳しい?)

県酪農業協同組合 温泉川寛明 代表理事組合長:
きついきつい。きついですよ。酪農家にもそれぞれ個人差があって、借金を払うために最低でもこれだけ搾乳しないと経営ができないという損益分岐点がある

廃業が加速する可能性…今できることは?

久保アグリファーム 久保正彦社長:
生乳がいらないから食べさせるエサの量を減らそうとか、調整することはできない。十分なエサを与えなてあげなければ、牛が自分の身を削ってお乳を出す状況になって、栄養不足に陥ってしまう。そうなってくると牛の頭数を減らすしか方法がない

乳牛の頭数を減らすと再び乳量を取り戻すのに時間がかかる。同様に、酪農も一旦やめてしまうと再開することは非常に難しいと言われている。

県酪農業協同組合 温泉川寛明 代表理事組合長:
最近、広島県内で2~3件ほど酪農家の廃業があった。これからも苦しい状況が続くと、酪農家たちがそれぞれ持っている心の中の思いが爆発して、廃業が加速する可能性は十分ある

日本の農業・酪農業をどのように進めていくべきなのか、議論する必要があるのではないだろうか。

(テレビ新広島)

記事 411 テレビ新広島

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