食品や生活用品を、個包装せずに販売する「量り売り」。日本でも昔は一般的だったが、今や見かけることは少なくなった。そんな中、「量り売り」は持続可能な社会を実現するための選択肢の1つとして、近年、注目が集まっている。

お米やパスタもガラス容器でおしゃれに…暮らしを変える「量り売り」

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2022年5月、宮崎県にある商業施設「都城オーバルパティオ」内に、量り売りの店「ビーコンエコストア」がオープンした。空き店舗対策や新規経営者の育成を目的に、自治体や商工会議所などが店舗の提供といった支援を行うチャレンジショップだ。

扱っているのは、生活必需品。地球環境や社会に配慮した「エシカル商品」と言われるものを中心に取り扱っている。使い回しできる容器を持参して、欲しい量だけ購入できる。お米やパスタはガラス容器に入っていて、見た目もおしゃれだ。食材がオブジェのように並び、真似をしたら自宅の台所も華やぎそう。

この店を始めた、エシカルコンシェルジュの川越ゆきこさんは…

エシカルコンシェルジュ・川越ゆきこさん:
プラスチックはとても便利ですが、その便利さに感謝しながら、なるべく必要最小限にとどめられるように、使い捨てプラスチックをゼロにすることを目指しています。
仕入れの段階から、繰り返し使う「通袋」(かよいぶくろ)を使い、販売商品は全て個包装なしして、必要な量だけ量り売りをしています

身近なものから珍しいものまで…人気の「オリジナル竹トング」とは

取材班の目にとまったのは、大きくうねり、灰色がかったパスタ。「古代硬貨小麦」と書かれている。

――「古代硬質小麦」と書かれているこのパスタは、どのような小麦?
エシカルコンシェルジュ・川越ゆきこさん:

こちらは品質改良されていない小麦の原種で、グルテンの含有量がとても低いといわれています

そのほか、フェアトレードのコーヒー豆やお菓子など、おいしさと地球や作る人へのやさしさ、心の満足度が高い商品が並ぶ。

中でも人気なのが、ゴミ拾い用のオリジナル竹トング(1380円/皮ベルト付 1680円)だ。

エシカルコンシェルジュ・川越ゆきこさん:
「道具がかっこいいと、ゴミ拾いが楽しくなる」と思って作った商品です。革製品の端材を利用したベルト付きで、おしゃれだと好評なんです

「『やってみたらこっちがいい』、そんな人が増えてほしい」

――容器を持参してない場合は、どのようにして購入する?
エシカルコンシェルジュ・川越ゆきこさん:

紙袋か、繰り返し使えるコットンバッグをご利用ください。また、お客様から寄付していただいたガラス瓶を煮沸して、リユース瓶としてもご利用いただけます

「この店の存在が、暮らしを少しずつ変えていく、エコの入り口になればうれしいです。(量り売り購入の生活を)『やってみたらこっちがいい』、そんな人が増えてほしいです」と話す川越さん。

必要なものを、必要な分だけ買ってみる。やってみたら、それが心地いいことに気付けるかもしれない。

(テレビ宮崎)

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