6月27日午後3時すぎ。

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東京都町田市にある家電販売店では、テレビの電源が次々と落とされた。売り場に、画面が消えた状態のテレビが並ぶ。

この家電販売店「でんかのヤマグチ」根岸店の宮林丈人 店長は、「電気の節約はしなくていけないとは常に思っている。本当に(電力の供給が)切れてしまったら困るので」と話す。

「あ、動いていない」家電販売店や商業施設で節電…水族館のペンギンも

猛暑による電力不足の懸念があるとして、初めて東京電力管内に発令された「電力需給ひっ迫注意報」。特に27日の午後3時~午後6時までは、無理のない範囲での節電が呼び掛けられた。

そのため「でんかのヤマグチ 根岸店」では午後3時ごろから、従業員が、テレビや扇風機など家電製品の電源を次々と落とす様子が見られた。さらに、冷房の設定温度も2度上げるなどの対策も行った。

節電対策は、街の商業施設でも。東京・池袋の「サンシャインシティ」では、施設内のさまざまな場所で節電を実施、午後1時には地下道にある「動く歩道」を停止した。

利用者:
すごく節電をしているなと感じた。子どもたちは(動く歩道に)乗るのを楽しみにしていたので「あ、動いていない」とは言っていたが、いいんじゃないかなと思います

さらに、エスカレーター3台のうち1台を停止。そのためなのか一時、混み合う様子も見られた。

また、施設の屋上にある「サンシャイン水族館」でも節電が実施された。普段、ペンギンの展示ブースで流れている滝は、お休みに。

うだるような暑さの中、木陰に集まるペンギンたちの姿があった。

一方、東京都庁では…

館内放送:
このあと午後2時に執務室の一斉消灯をします

午後2時以降は、都庁の執務室を一斉に消灯するなどの節電対策を講じた。

さらに東京・台東区のディスカウントストア「多慶屋」でも大型ビジョンの電源を切ったほか、東京都内のスーパー「イトーヨーカドー大森店」では、冷蔵ケースなどの照明を一部消すなどして対応。

シャッター半分、節電タイムセール…ユニークな方法で節電貢献

独自の工夫で節電に取り組む店舗もある。
東京・小平市にある絵本専門店「ねこじたゴリラ堂」では、ふだんは2枚あるシャッターをどちらも開けているが、27日は半分閉めて営業した。

ねこじたゴリラ堂・佐藤匡弘 店長:
シャッターを下ろしている側は日差しが当たらない分、温度が下がっている感じがします。それによって室内の温度を下げることにも貢献できているのかな

実際、店内に入ると、普段より冷房の温度が高く設定されているにも関わらず、十分涼しくなっている。

また、エレベーターを一部停止するなどの節電対策を行った「横浜髙島屋」でも、ユニークな取り組みを実施。

地下の総菜売場で行われていたのは、食料品の「節電タイムサービス」。自宅で揚げ物をして室内が熱くならないよう、持ち帰り用の揚げ物を対象にした割引セールを実施したのだ。通常324円の「海老の天ぷら」が32円引き、通常4枚で778円の「一口ヒレカツ」は43円引きで販売されていた。利用者は「うれしいです。揚げ物は家ではできないので」と喜んだ。

SNSには電気使わない“土鍋”投稿も…引き続き猛暑の恐れ

今回の節電は、そんな、夕食の準備どきとも重なる時間帯に呼びかけられた。

SNS上には、「晩ご飯を土鍋で炊いてみました」といった投稿が。普段使う電気炊飯器ではなく、初めて土鍋とガスを使って炊いたご飯。「少し硬めながら美味しかった」という。

また、午前中に夕食のキーマカレーやアサリとホウレンソウの卵とじなどを調理したという投稿もあった。

27日、東京電力は、東北電力や中部電力から電力の融通を受けることで対応。電力供給の余力を示す「予備率」は7%以上に改善し、ひっ迫は回避された。しかし、引き続き猛暑が続くことから、政府は28日も「電力需給ひっ迫注意報」の継続を決定。

さらに東京電力と東北電力、北海道電力は、29日も電力供給の予備率が5%を切る見通しを示し、2022年から新たに設けられた「需給ひっ迫準備情報」を初めて出した。

「めざましテレビ」6月28日放送分より)