子ども料金半額チケットが22日から販売開始され、予約サイトにアクセスが集中した。

4歳から11歳が対象

東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドは、4歳から11歳の子どもを対象に、入園料金が半額となる「キッズサマーファン! パスポート」の販売を22日から開始した。

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オンラインで予約を受け付けたがアクセスが集中し、一時つながりにくい状態となった。

今回のチケットは6月27日から8月31日までの利用が対象で、通常5,000円程度の子ども用チケットは2,500円程度となる。

オリエンタルランドは、2024年度の来場者数の目標を過去最多となった18年度の8割程度に設定していて、待ち時間を減らすなどして入園者の満足度を高めていきたいとしている。

入場者数よりも満足度で収益アップに

三田友梨佳キャスター:
市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに聞きます。
夏休みシーズンに「子供半額」というこのサービス、馬渕さんはどうご覧になっていますか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
今回の「子供半額」も含めて、オリエンタルランドの経営戦略は興味深いものが多いです。
例えば、新型コロナウイルスの感染がある程度落ち着いた後も入場制限を続けることで、アトラクションに長時間並ぶといった状態を解消し、顧客満足度の向上を狙っています。

オリエンタルランドのチケットは取りづらいとも言われているので、経済再開に向かえば上限を廃止して多くの客を受け入れて利益に繋げても良さそうですが、そうしないところがオリエンタルランドらしさであり、強みとも言えます。

今回の「子供半額」も混雑する夏休みに家族連れが来やすい状況を作ることで、満足度を向上させる。そんな狙いもあると思います。

三田キャスター:
数を増やすのではなく、顧客の満足度を向上させて収益につなげるといった戦略については、コロナによる人の流れの変化も大きいのでしょうか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
そうですね。例えば4月の中期経営計画では、2024年度の来場者数の目標を2600万人程度としていて、これはコロナ前の18年度に比べて2割低い目標です。
一方で、1人あたりの売上高は、18年度より2割高い目標としているので、これはより付加価値の高いサービスを提供していくことの表れです。

ディズニーは入園料を引き上げてもファンが多いですが、時間帯によって値段を変えるなど、混雑状況をなくす取り組みを行っています。 今年5月には2000円を支払えば行列に並ばなくても 指定した時間に人気のアトラクションを利用できるサービスを始めています。
これは、来場者からの「混雑していて楽しめなかった」 といった声を反映したサービスで、こうした声に真摯に耳を傾ける姿勢も人気の要因の1つだといえます。

三田キャスター:
入場者数で他のテーマパークと競うのではなく、顧客の満足度で差別化をはかるということなんですね。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
新規の集客も大事にしながら、既存の優良顧客をさらに大事にする取り組みは、成熟した企業にとっては経営戦略として重要な位置付けになります。ファンをいつまでも惹きつけてやまない理由がここにあると思います。

三田キャスター:
調べてみるとウォルト・ディズニー氏は、「ディズニーランドが完成することはない。 世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう」という言葉を残していました。 顧客に寄り添った試みで、これからも私たちの夢をつないでいって欲しいと思います。