自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

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「勝負事になると、絶対に自分が勝つまで納得しない我が子。勝てないと泣いてしまって大変なことに…」

いつでも真剣勝負!なのはいいことだけれど、じゃんけんやかけっこなどの勝ち負けが決まる遊びでも、なかなか勝敗に納得できない子どもたち。
負けて悔しい!という気持ちはもちろんわかるけれど、自分が勝つまで勝負!というわけにはいかないもの。子どもたちが気持ちよく「負けを受け入れる」ためには、一体どうしたらいいの?
育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

初めに「負けちゃうこともあるよ」と教えてあげよう

――負けが悔しい、認められない!これってどうしたらいいの?

負けるのが悔しくて泣いてしまうのは、年齢的にまだ勝ち負けの対処が苦手であることや、性格的に負けん気が強いことが要因として大きいので、ちょっと声かけをして、すぐにピタッと泣き止むというのは残念ながら難しいと言えます。実際に多くの方が子どもの悔しい気持ちへの共感は実践済みだと思いますが(悔しいよね、残念だったね、など)、それでもなかなか解決しないですよね。

負けず嫌いであることは、悪いことではありません。大きくなって難しいことに直面したときに、それを超えようとする力になるからです。ただ、日常のちょっとした遊びで毎回大荒れ(じゃんけんで負けた、トランプで負けたなど)してしまうと、親はぐったりしてしまいますよね。


――では「勝ち負けのある遊び」が楽しめるようになるのって、何歳ころから?

子どもたちは勝ち負けのある遊びが大好きなので、何歳からでないとできないというのはありません。でも、みんな勝つことが楽しくてやりたがるので、負けたときの想定ができておらず、そこが問題になりがちです。

アメリカの社会学者であるパーテン博士の「子どもの遊びの分類」を見ると、子どもたちの遊びも成長とともに発展していくのがわかります。この分類は2~5歳の子どもたちが遊ぶ様子を観察し、その遊び方を6つのタイプに分類しているのですが、

(1)何も遊んでいない状態
(2) ひとり遊び:他の子に近づいたり、話しかけたりせず、1人で遊んでいる状態
(3)傍観的行動:声をかけたりはすることはあっても、遊び自体には交わらず、他の子の遊びを見ている状態
(4)平行遊び:子どもが何人かいて、似たようなおもちゃを手にしていても、互いは交わらず、それぞれが独立して遊んでいる状態
(5)連合遊び:他の子と一緒に遊ぶものの、基本的には、子どもそれぞれが自分のやりたいように遊んでいる状態
(6)協同遊び:協力して遊んだり、ルールを意識して遊んだりと、子どもたちが何らかの目的を持って協同して遊んでいる状態

1から順に6へと進むにつれ、より社会的で洗練された遊び方になっているのが分かるでしょうか?

今回のテーマ“勝ち負けのある遊び”は、この中の6つめの「協同遊び」に該当します。このレベルは、より高度な社会性が求められるため、就学前の子にはまだまだ難しいとも言われています。
よって、幼稚園生くらいでは子ども同士だけではうまくゲームが進まないことも多々あるでしょうし、さらに小さい子であればなおさらです。まだまだこの時期は、自分中心で物事を見ているため、人に譲るとか、負けを認めるというのは難しいのです。

ただそれは子どもたちだけで勝負ごとをしているときに起こりやすく、そういう場面に大人が1人入るだけで、うまく誘導できることもあります。勝負のある遊びを導入する際には、まずは大人が関わるというのはポイントかもしれません。

とは言え、勝ち負けがあると、負けたくない、勝ちたいと思うのは自然な心理です。よって、子どもたちが負けを納得して楽しめるようになるというのは、実際には非常に難しいお題でもあります。小学校に入って以降、だんだんと受け入れられるようになっていくことが多いですが、中にはいつまでも超負けず嫌いという子もいます。これはその子の持って生まれた性格も関係しており、負の粘りが強い子、気難しい子は何歳になっても負けを受け入れ難いということはあるでしょう。

――「負けが認められない!」そんな気持ちになった子どもたちに何ができる?

まずできることと言えば、気持ちをそらす工夫でしょう。別の楽しいことや前向きになれそうなことを提示し、気持ちをそちらに向けられれば、自ずと感情も収まりやすくなります。

ただ、いつもいつもそらせるわけではないでしょうから、少しずつ自分の気持ちをコントロールする練習をしていけるとベストでしょう。親も、負けの場面を“悔しい気持ちを自分でなだめる練習の場”と捉え、長い目で成長を見守っていけると望ましいです。

あらかじめゲームなどを始める前に「負けちゃうこともあるけれど、それでもやる?」「勝ったら嬉しいけど、もし負けたらどうなっちゃう?」などと尋ね、その場に合ったお約束を引き出し(負けても泣かないなど)、実際に泣かずに済めばたくさんほめます。泣いてしまっても強く責めたりせずに、次回またトライして、いつの日か負けたのにぐずらないというミラクルが起こるのを待つやり方です。これはなかなか根気が要りますが、子どもたちの自制心を育むことにもつながります。

小学生になると段々と勝負の勝ち負けを理解はしてくるので、基本的には共感をし、だんだんと遊びの上では負けることもあるということに慣れさせていくのがいいでしょう。



子どもたちにとっても「勝ち負けのある遊び」は身近だけれど、実は高度な社会性が求められるもの。
「悔しいけれど、負けちゃったから仕方ないなあ」と納得したり、「次は勝つぞ!」と次回に繋げようとするのは、幼稚園くらいの子どもたちにとっては難しいそう。

そんな遊びの場で、パパママができるのは、そっと“仲介役”をしたり、子どもたちに「もし負けちゃっても、泣かずに頑張れるかな?」などとお約束をしてみること。
負けて悔しい、認められない!そんな気持ちをグッとこらえてコントロールする方法を、子どもたちが自分で見つけるまでの練習と思って、見守ってみてはいかがだろうか。

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※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)

記事 4296 プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。