レジ袋やストローなど、身近な暮らしの中で広がり始めたプラスチックごみ削減の動き。2022年4月には「プラスチック資源循環促進法」も施行され、企業などでも脱プラが進んでいる。
1500円の"ガチャガチャ”に入っていたのは…
赤木希アナウンサー:
私も大好きなカプセルトイ。開けるのが楽しみなんですよね!
「イオンモール福岡」内のカプセルトイ専門店。何が出てくるかは、カプセルを開けてからのお楽しみ。

「ガチャガチャ」などの愛称で、幅広い年代から親しまれている。1回の値段は、200円から300円が主流だということだが…
赤木希アナウンサー:
ちょっと見てください。1,500円もしますよ。やってみていいですか
赤木アナウンサーが選んだのは、自分で買うにはちょっと勇気が必要そうな、最も高い1,500円のガチャガチャだった。

赤木希アナウンサー:
開けます! めちゃくちゃリアルな爬虫(はちゅう)類! 怖いくらいリアルな爬虫類! ガチャガチャの枠を超えてますね

本物を忠実に再現した、おもちゃとは呼べないほどのクオリティー。子どもに限らず大人にも人気の理由が分かる。
ガチャガチャの森・肥山侑希さん:
リアルなものが、とても人気になっています。あとは、よりかわいらしく、より面白く展開されているかなと
今、第四次のブームが訪れているといわれるカプセルトイ。
日本ガチャガチャ協会によると、購入者の7割は大人で、市場規模は約450億円にものぼるという。
分別も楽しく…“ガチャガチャ”専用リサイクルボックス
ところが、売り上げが伸びれば伸びるほど、カプセルトイには避けることのできない問題が生じる。それは、中身を取り出した後の「プラスチックごみ」だ。

地球環境の保全を目指す、世界的な脱プラスチックの流れを受けて、2022年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行され、ガチャガチャのカプセルもリサイクルの対象となった。
新たな法律に対応して、この店が設置しているものがある。
ガチャガチャの森・肥山侑希さん:
リサイクルボックスになります。お客様にガチャガチャを購入していただいて、紙とビニールはこちらに捨てていただいて、カプセルはこちらに捨てると、コロコロ転がって分別されます

赤木希アナウンサー:
分別される過程を楽しめるようになっているんですね
小さな子どもでも楽しく分別ができるように工夫されたカプセルトイ専用のリサイクルボックス。一番の特徴は…
ガチャガチャの森・肥山侑希さん:
カプセルの形じゃないと入れても転がらないので、(ほかのゴミを)捨てられないというのが大きなポイントです

これまでは、カプセル以外のゴミも一緒に捨てられていたため、後で分別する手間がかかっていたが、専用ボックスの導入で手間が解消された。
ガチャガチャの森・肥山侑希さん:
ここで分別がきちんとされるというのが、大きなメリットとなっています
残った枠が“真っ黒なガンプラ”に再生
一方、コロナ禍の巣ごもり需要を追い風にブームが再燃している“おもちゃ”にも、プラごみ削減の動きが広がっている。
いまや福岡の新名所にもなっている、高さ25メートルの実物大ガンダムが出迎える「ららぽーと福岡」。

ガンダムグッズを取りそろえた専門ショップには、全国からファンが訪れる。

東京から来たという男性のお目当ては…
東京から来た40代男性:
ここでしか売っていないガンプラがあったので、ここまで来た
わざわざ県外からも客が訪れるほど人気なのが、ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」だ。大人から子どもまで幅広い年代で楽しむ人が増えているガンプラも、リサイクルが進んでいる。

バンダイスピリッツ・松橋幸男さん:
プラモデルのパーツを組み立てる時に取り外して、残った枠の部分をランナーと呼んでいるんですが、このランナーを回収するプロジェクトをしています

2021年4月から始まった、不要なランナーのリサイクル。全国200カ所に回収ボックスを設置したところ、1年間で11トンを超えるランナーが集まった。

それをリサイクルしてできたのが、全身が黒いガンプラだ。
バンダイスピリッツ・松橋幸男さん:
完成すると、こういったものになります

黒いガンプラは、プラごみ削減を意識づけるためにイベントなどで配布している。
バンダイスピリッツ・松橋幸男さん:
2022年度の回収目標は15トン。15トン集まれば、普通サイズだと約15万体のガンダムに生まれ変わる

バンダイスピリッツ・松橋幸男さん:
ファンが意識改革をしていって、最終的に地球を救うんだぐらいのことができると、エンターテインメント企業としては面白いかなと思っています
(テレビ西日本)