私がお伝えしたいのは、「26年ぶりの100%成立」です。
国会の会期末が明日に迫る中、政府が提出した法案61本全てが成立する見通しとなりました。
通常国会で、政府提出法案が全て成立するのは、26年ぶり。
これは、与野党で本格的に対決することが少なかったためで、「つまらない国会だった」との声も。
ポイントはこちら。「対決回避で見せ場なし 『無風国会』閉幕へ」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
政府提出の法案が全て成立するという“異例の国会”となった背景には、与野党双方の思惑があります。
政府与党としては、夏に参院選を控える中、国会の会期を延長したくないため、提出する法案を去年より減らしました。
また、去年の通常国会で成立を見送った「出入国管理法(入管法)」をはじめ、「対決型法案」の提出を控えることで、野党からの追及を避ける狙いもありました。
提出法案の数を減らし、対決型法案を回避したことが、政府提出の法案が全て成立することにつながったと言えます。
一方の野党側ですが、立憲民主党も参院選を意識し、従来の「対決型」から「提案型」へとシフトチェンジし、政府与党との全面対決の場面が避けたかった思惑があります。
日本維新の会に「反対ばかり」と揶揄された立憲民主党の泉代表は10日「各地でフェイクを流し続ける。これはまさに、維新の見識が問われる。閣法の成立率100%、立憲民主党が賛成したものも多数ある」と述べるなど、従来のイメージを払拭するために躍起になっています。
野党側が与党と全面対決する場面が減り、審議が順調に進んだことも、法案が全て成立したことにつながりました。
しかし、永田町からは、「つまらない国会だった」などと、今回の国会審議について盛り上がりに欠けたと指摘する声も出ています。
今の国会は間もなく閉会しますが、臨時国会や来年の通常国会において、与野党で是々非々の議論が行われるかどうか、注目されます。
(フジテレビ政治部 高橋洵)