岩手県久慈市の小学校で、地元で生産が盛んな木炭について学ぶ特別授業が行われた。炭職人たちの思いを受け継ぐ貴重な経験となったようだ。

一度に10トンの木材を入れ炭に

5月30日。子どもたちが丁寧に運び出しているのは、岩手が生産日本一を誇る木炭。

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久慈市立山形小学校では、子どもたちが地元で盛んな産業のひとつ、木炭の生産について学んでいる。炭づくりを学ぶ授業は、旧荷軽部(にかるべ)小学校で2004年に始まり、2012年の山形小学校との統合のあとも敷地内の炭窯で毎年続けられている。

製炭技術者・谷地司さん:
岩手県中の炭焼き屋さんが勉強をして技術を上げた功績があるから、みんな同じように品質が良い

3年ほど前から炭作りを教えている谷地司さんは、優れた生産者として内閣総理大臣賞を受賞したこともある炭焼き名人。2022年から、自分が働いている会社の木炭工場の見学も授業に取り入れた。木炭の生産が盛んな地域でも、子どもたちのほとんどは炭焼きの作業を近くで見たことがないという。

見学場所のひとつが、大きな炭焼き窯。3年生11人全員が中に入ってもまだ余裕のあるこの窯では、一度に10トンの木材を入れ、炭に焼きあげる。

製炭技術者・谷地司さん:
学校でやる授業はあそこまでが限界なので、こういう機械を使って大きい窯で炭を作っていると見せられる機会はなかなかない

子どもたちは実際に窯から炭を取り出すだけではなく、質の高い炭を作るためにどんな努力をしているかなど、職人の思いもしっかりと学び取っていた。

子どもたち:
普段炭のことを勉強することがないので、炭のことを知れて良かった

製炭技術者・谷地司さん:
「びっくり」とか「すごい」という反応。日本一だとか、この地域に根差した産業だと一番わかってもらいたいので良かった

生産量も品質も日本一という岩手の木炭。その一方で、生産者の数は年々少なくなっている。この授業をきっかけに、炭づくりへの熱い思いは子どもたちへと受け継がれていく。

(岩手めんこいテレビ)

岩手めんこいテレビ
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