耳の不自由な父親や友人が社会から評価されず、苦しむ姿を見てきたNPO法人Silent Voiceの代表理事・尾中友哉さん。

「僕の両親が耳が聞こえなかった。父親はどれだけ頑張ったって、昇給・昇格もなかったりする。僕の同級生の難聴の友だちも、障害が理由で能力を期待されないとか低く見られてしまう」(尾中さん)

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子どもの頃から手話で両親の通訳をしてきた自分の得意な“手話”を生かすため、2017年に聴覚に障害のある子どもたちの総合学習塾「デフアカデミー」を始めた。

塾は“勉強”するだけではない場所

聴覚に障害のある子どもたちの総合学習塾「デフアカデミー」
聴覚に障害のある子どもたちの総合学習塾「デフアカデミー」

生徒は全国に150人おり、授業は手話で行う。パソコンは聴覚のハンディを補い、自分を表現できる重要なツール。

しかし、アルファベットを音で覚えることができないため、子どもたちはローマ字表をひらすら目で見て記憶していく。

“見る力”を鍛える子どもたち
“見る力”を鍛える子どもたち

“見る力”を鍛えるプログラムでは、小さい数字から順番に印を付けていったり、足りない線を見つけて図形を完成させていくものなどを何度も繰り返す。

そうすることで、スピードもアップすれば、子どもたちの自信につながっていくのだ。

小学4年生の児童は「勉強したり遊んだり、一緒に楽しく過ごせる」と塾で学ぶことを楽しんでいた。

輝く未来に向かって歩き出すために、尾中さんは「(子どもたちは)社会に出て行くと思うんですけど、そのときに振り返って、理不尽な思いが極力少なくなっていて、自信を持ってワクワクして社会に向かっていけるような、そういう場をずっとつくっていきたい」と語った。

株式会社Silent Voice/NPO法人Silent Voice
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