静岡県御前崎市にある中部電力・浜岡原発。2022年5月に初めて、放射能レべルが極めて低い機器などを再利用して作られた「側溝のふた」が敷地内に設置された。ふたには、「CL」の文字の刻印が…。これは何を意味するのか。

大量の廃棄物を分類…CL(クリアランス物)は再利用や処分が可能

2009年に運転を終了した浜岡原発1号機と2号機。中部電力は約30年という歳月をかけて廃炉作業を進めていて、解体で出る膨大な廃棄物の処理が課題だ。放射能レべルが極めて低い機器などをどう再利用するかがカギになる。

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解体作業に伴って発生する廃棄物の量は約45万トン。廃棄物は放射性物質による汚染の有無や程度によって、高レベル放射性廃棄物、低レベル放射性廃棄物、産業廃棄物の3種類に分けられ、再利用や処分が行われる。

2022年4月、御前崎市にある「木村鋳造所」で、ある取り組みが本格的に始まった。

木村鋳造所 御前崎製作所

落合健悟 記者:
浜岡原発1号機・2号機の解体で発生した「クリアランス物」と呼ばれる廃棄物の再利用が、現在こちらの工場で行われています

国は放射能レベルが極めて低く、人の健康に対する影響を無視できるレベル以下の廃棄物のうち、原子力規制委員会による確認をうけたものについては、「放射性廃棄物」として扱う必要のないもの、つまり産業廃棄物として再利用や処分ができる制度を設けている。これを「クリアランス制度」といい、この制度で産業廃棄物として扱うことが認められたものを「クリアランス物」という。

こうした「クリアランス物」の加工品に刻印されるのが、「CL」マークだ。

タービン建屋機器を側溝のふたに加工

浜岡原発の廃炉ででる廃棄物約45万トンを分類すると、もともと放射能汚染がない産業廃棄物が約35万トンで約78%を占める。原子炉内の構造物など低レベル放射性廃棄物が約2万トンで約4%、そして放射能レベルが極めて低く産業廃棄物として扱うことが認められたクリアランス物は約8万トンで約17%という内訳だ。(高レベル放射性廃棄物は使用済み燃料再処理の際に出る廃液をガラス固化体にしたもので、比率は極めて低い)

浜岡原発では初めてとなるクリアランス物の再利用に向けた加工作業が、木村鋳造所で進められている。

中部電力 浜岡地域事務所・榊原浩之 専門部長:
循環型社会の実現、1号機と2号機の廃止措置を着実に進めていくためには、クリアランス物の再利用に積極的に取り組んでいく必要がある

今回はタービン建屋の機器を解体して発生した金属、約80トンを加工し、側溝のふたなどに使う。

タービン建屋の機器の部品

加工作業を請け負った木村鋳造所に聞いた。

木村鋳造所 御前崎製作所・梶原道哉 所長:
使える金属をリサイクルして使うのは、鋳造業のそもそもの成り立ち。私も30年ここ御前崎市に住み(原発と)共存してきているので、できればうちで役に立てればという思いもあった。それが最終的にSDGsの一役になればと、今回取り組みをさせてもらった

2022年5月、初めて納品されふた336枚が、発電所敷地内の浜岡原子力館の周辺に設置された。

クリアランス物を加工した「ふた」を設置

ふたにはクリアランス物を表す「CL」という文字が刻印されている。

中部電力では9月までに約2300枚を加工し、敷地内の4カ所に設置する予定だ。

(テレビ静岡)

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