ガソリン価格の高騰で売り上げが好調だった自転車。今、街の自転車販売店に異変が起きている。
コロナ禍で、一大生産地であるアジア各国の工場が稼働停止や生産能力の縮小を余儀なくされ、店では入荷の見通しすら立たず、「売りたくても十分な商品が揃えられない」という自体に陥っている。

自転車入荷の見通し立たない

コロナ禍で人気を集める自転車。
しかし今、街の自転車販売店で、かつてない異常事態が店を悩ませている。

記者リポート:
原油価格の高騰を受け、人気が高まる自転車ですが今、ここにも値上げと品薄が起きています

自転車の山口屋  山口哲男 社長:
2020年後半から2022年にかけて、商品(=自転車)が供給されない非常に悪い状態。入荷が悪いために品揃えも悪くなる。おかげで客が来ても思うようなものを供給できない、買っていただけないという状況が続いている

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幅広い種類を扱う仙台市内のこちらの自転車販売店。店頭に、以前は常時200台ほどが並んでいたが、今はその半分程度しかない。自転車が入荷できない。

自転車の山口屋  山口哲男 社長:
自転車工場があちこちで、稼働が止まりはじめましたので、供給ができなくなってきた

中国や台湾などが一大生産地となっている自転車産業。
しかし、コロナ禍で断続的な工場の稼働停止や中国のロックダウンで、生産が間に合わない状態が慢性的に続いていると言う。

自転車の山口屋  山口哲男 社長:
この「トレック」は、アメリカのブランドで世界でもナンバーワンブランド。こちらの「キャノンデール」もアメリカのブランドで、世界でも非常に力のある商品。これも今5台しかない。トレックは4台しかない。本来は40~50台あって普通。今は合計しても9台、10台しかない。お客さまも満足して選ぶという状況にはない

入荷の目途も立たないため予約も受けられず、売上げにも影響している。

自転車の山口屋  山口哲男 社長:
お客さまにも何カ月、1年待ちの方もいらっしゃいますので。あとで追加(入荷)するから、先に売っちゃえとはいかない

自転車価格が1割~3割ほど値上げに

これだけではない。値上げの波が自転車にも押し寄せている。

自転車の山口屋  山口哲男 社長:
2021年秋に一度、全体的な値上げがありまして、年が明けたらウクライナとロシアの問題。その大きな影響が他も同じだと思うが、自転車にもありましてね…

自転車の素材として使われるアルミニウムの先物取引価格は、コロナ前の2倍に上昇。このほか円安や輸送費の高騰なども拍車をかけ、大手メーカー・ブリヂストンサイクルは2022年6月1日から取り扱う自転車の価格を1割~3割ほど値上げすると発表。

自転車の山口屋  山口哲男 社長:
2022年6月1日付けで(各自転車メーカーから)ものすごい値上げが予告されていますので、その前にお買い得に今の価格で買っていただきたいが、今度はモノ(=自転車)がないので、痛しかゆしになっていまして、もうどうしようもなく困っているんですけどね…ほんとに何とかしてほしいなと思います

(仙台放送)

仙台放送
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