高知城の堀に咲いたスイレンの花。毎年、観光客を出迎えるこのスイレンに2022年、異変が起きている。
堀を埋め尽くすほどのスイレンが…
玉井新平アナウンサー:
スイレンの花がどこにもない。全滅している

高知城の追手門そばにある兼山堀に毎年、花を咲かせるはずのスイレンが全くなかった。2018年に高知さんさんテレビが取材した映像では、100輪以上のスイレンが咲き堀に彩りを添えていた。

過去の映像と比べると、2022年は全く違う景色となっている。


この異変に高知市民からは様々な声が聞かれた。
高知市民:
えっ、そうなんですか。植え替えたりしているのかと勝手に思っていた

高知市民:
毎週一回、散歩で来ている。なんかおかしいよね。残念としかいいようがない
消えた理由はソウギョ? 掘を分ける網が外れて
高知市が2021年3月と9月に撮影した堀の写真を比べると、わずか半年でスイレンが激減していることが分かる。

原因について高知県の担当者は、次のように語った。
県 歴史文化財課・中内勝課長:
堀との間に網を設けて魚が入らないようにしていたが、何らかの原因で外れてしまった

玉井新平アナウンサー:
スイレンのあった堀と南側の堀との間を水路が走っています。その水路の入り口には、魚が侵入できないよう、長さ2メートルほどの網が張ってありました。これが何らの原因で外れてしまったのです

スイレンのある場所に魚が侵入できないよう、水路には網が設置されていた。

しかし、2021年9月。高知城管理事務所の職員が、水路の近くで網が外れて沈んでいるのを発見。以降、スイレンのある堀には、これまでいなかったソウギョやコイなどの大きな魚が泳いでいる。

県 歴史文化財課・中内勝課長:
元々、スイレンが植えられていた鉢が沈んでいる。今は枯れて咲かない、葉もない状態。おそらくはソウギョが、スイレンを食べたのではと推定している

「葉や茎すべてを食べる」景観は戻るのか
ソウギョは1メートルを超える外来魚で、水草を食べる。

高知・北川村にある「モネの庭」で、20年近くスイレンを管理する川上裕さんにソウギョについて聞いた。
モネの庭・川上裕庭園管理責任者:
ソウギョはスイレンの全部、葉、茎、花、地下茎の先端を食べる。スイレンを育てる場合、ソウギョやコイを入れないのが一番安全に保つ方法ではないかと思う

高知城の堀のスイレンは2009年に市民団体がボランティアで植え、観光客や地元の人に愛されてきた。再びスイレンを植えて、景観を戻すことができるのか?
県 歴史文化財課・中内勝課長:
スイレンを植えるためには、いったん魚を運び出して水を抜く作業がある。経費を含めて大変な作業。現段階で、そこまでの検討は進んでいない

季節の風物詩が戻ることを期待したい。
(高知さんさんテレビ)