奥能登の耕作放棄地を1年かけて整備し、子どもが環境について遊びながら学べる場所を作った男性がいる。その情熱に迫った。

すべてが手作り!「ケロンの小さな村」で自然体験

石川県能登町(のとちょう)の山あいにある自然体験村「ケロンの小さな村」。面積はおよそ3300平方メートルで、広場には手作りの遊具が設置され、誰でも無料で遊ぶことができる。

山あいの自然体験村
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村を流れる小川にはクレソンが自生し、ピザ焼き体験もできる。ピザを焼いているのが村長の上乗(じょうのり)秀雄さん(78)だ。

手作り窯でピザを焼く上乗さん
ケロンの小さな村を作った上乗秀雄村長

ケロンの小さな村 上乗秀雄 村長:
最初に私たちを迎えてくれたのがカエルなんです。ケロケロケロとね。カエルがいつまでも長く生きられる場所を作りたいと思って。それが村の名前の由来です

さっそく上乗さんが村を案内してくれた。まず目に入る大きな水車小屋も、上乗さんの手作りだ。ケロン村のシンボルとなっている。

シンボルの水車小屋 これも手作り

さらに奥に進むと見えてくるのが、大きなトガノキを柱にして建てられたツリーハウス。このツリーハウスに入るには、鐘を3つ鳴らすというルールがある。その理由は…

トガノキを柱にしたツリーハウス

ケロンの小さな村 上乗秀雄村長:
この鐘は『共生の鐘』。里山に下りてくるイノシシなどを寄せ付けないようにして、駆除などでの殺生を防ぎたい。鐘を鳴らすことで、人間と山の動物が共に生きていければ

「共生の鐘」には人と動物の共存の願いが

ドイツ視察がきっかけ…60代で耕作放棄地を1年かけ整備

上乗さんは能登の高校で校長を務めていた。村を作るきっかけとなったのは、環境教育の視察先として訪れた、ドイツのメルディンゲン村で見た光景だった。

ケロンの小さな村 上乗秀雄村長:
子供たちが自然で遊びながら、体験しながら環境を勉強している。その姿に感動して

校長時代に視察したドイツの風景

上乗さんは退職金を資金にして、開拓に乗り出した。選んだ場所は、荒れ果てた棚田の「耕作放棄地」だ。

ケロンの小さな村 上乗秀雄村長:
草がいっぱいで、雑木があって。正直言ってずいぶん苦労はありました

耕作放棄地を1年かけて整備

理想の村づくりを目指して整備を続けること1年。ケロンの小さな村は2009年に開村し、今では多くの家族連れでにぎわうスポットとして、石川県内で知られるようになった。
初めは村作りに反対していた妻の純子さんも、今では一番の理解者だ。

こどもの日は多くの家族連れでにぎわった

村を手伝う 妻の純子さん:
(夫が)常に計画を立てながら前に進んでいる感じなのでスゴイなあと尊敬しています。これが生きがいになっていることが嬉しいし、夢ばかり広がっていて、あまり年のことは考えてないみたいです

当初反対だった妻は一番の理解者に

まだ完成形ではない…「フォレストランド」計画が進行中!

子どもたちへの思いと情熱でケロン村を作り上げた上乗さん。しかし、まだまだ発展途上だという。

ケロンの小さな村 上乗秀雄村長:
フォレストランドというものを5カ年計画で作りたい。森林を使った子どもたちのチャレンジ場所。あれもやりたい、これもやりたいって夢はあるけど、一言で言えばより皆さんに愛されて親しまれるケロン村にしたい

フォレストランド計画進行中

2009年にケロン村が開村して13年。78歳となった上乗さんだが、理想の村の完成はまだ当分先のようだ。

(石川テレビ)

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