メタ初の実店舗オープンへ

アメリカのIT大手「メタ」がメタバースに対応した製品を扱う初めての実店舗をオープンする。

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メタの実店舗は、カリフォルニア州北部に9日にオープンする予定で、VR(仮想現実)に対応したゴーグルなどの製品を実際に体験し購入することができる。

メタはインターネット上の仮想空間、メタバースの事業に注力していて、店の責任者は「店舗があることで、顧客体験を開発の核とすることができる」としている。

IT大手の実店舗はアップルが先行しているが、グーグルが2021年にスマートフォンなどを扱う店舗をニューヨークにオープンしたほか、アマゾンも2022年、衣料品の店舗をロサンゼルスにオープンさせる予定。

店舗を構え消費者が直接製品に触れることで、関心を高めようとする動きが進んでいる。

ECにはない「偶発的な入店」

三田友梨佳キャスター:
マーケティングアナリストの渡辺広明さんに聞きます。メタバース普及のための一手、どうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
メタバースを普及させるためにはその世界をより楽しく体験するために必要なVR用ゴーグルをマス化することが欠かせません。まだゴーグルを持っているのはテクノロジーに強い人が中心なので、リアル店舗で販売することですそ野の拡大を狙っていると思います。

アメリカのEC化率はコロナをきっかけに伸びていますが、2020年の買い物に占める割合は14.5%しかない。
カテゴリーにもよりますが商品の販売は圧倒的にリアル店舗なので店舗販売が欠かせないと判断したと思われます。

三田キャスター:
確かにメタバースの普及のためにはまずは、その世界を体験したもらう必要がありますよね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
VR用ゴーグルは一般の人はまだほとんど使用したことが無いので、体験出来る場は必須です。ECの買い物は検索しなければ商品にたどり着きませんが、 リアル店舗は「フラっと」「たまたま」入店するというような商品との偶発的な出会いがあるので、新規顧客を増やすポイントとなっています。

また、顧客のリアル体験は新しい顧客層の"生のニーズ"を拾うこともできます。
「こうなれば、もっと面白い」など顧客のひらめきを商品開発にフィードバックすることも可能になります。

三田キャスター:
IT大手ではアップル、グーグル、アマゾンも実店舗を展開していますよね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
店舗のリアル接点はブランド観を表現し価値向上を後押しにするのに最適で、中でも旗艦店が果たす役割は大きいです。

店舗では修理や商品サポート、使い方提案が出来るのもポイントです。VRゴーグルのようなメタバース関連商品をゲームやスマホのようなマスマーケットに広げるのであれば、アップルショップのような多店舗化することも視野に入れる必要があると考えます。

三田キャスター:
実店舗での出会いがメタバースへの入り口となるのか注目です。

(「Live News α」5月9日放送分)