つい使い終わったら捨ててしまうボールペンだが、とことんSDGsにこだわったボールペンがある。値段が1本1000円台と高めなのにも理由がある。
使えば使うほど、地球を大切にできるボールペンとは。

打合せをする長岡社長と刺しゅう作家のヒナカさん
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静岡・島田市にあるアトリエ。ここで打ち合わせをしていたのが都内のペンメーカーの長岡美千子社長と、島田市在住の刺しゅう作家のヒナカさんだ。
2人が製作したのがボールペン「PENON(ぺノン)」。
実はこのボールペンには持続可能な社会、いわゆるSDGsにつながる要素があふれている。

PENON(ぺノン)

使えば使うほど森が増える

その要素とは大きく3つあるが、1つ目はペンの軸となる部分に森林認証を受けた木材が使われている点だ。
ペノンに使用されているのは、アメリカ・カリフォルニア州のヒノキ。

森林認証を受けたカリフォルニア産ヒノキが使われている

長岡美千子社長:
伐採した以上の植林が義務付けられてるので、使えば使うほど森が増えていくという仕組みです

「替え芯」でリサイクル

2つ目はペンの内部、替え芯にある。ペンのインクを使い切り、別売りの替え芯を購入すると...

長岡美千子社長:
裏を見てもらうと返信用の封筒になっており、使い終わった替え芯を入れて封をして投函してもらうと、無料で弊社に届き、責任をもって回収してリサイクルに回す仕組みになっています

回収で集まった替え芯を分別して再利用することで、温室効果ガスの排出を削減し、温暖化を防止する。
メーカーが替え芯を回収・リサイクルする取り組みは日本で初めてだ。

使い切った芯を送るための封筒

パッケージもゴミではない

そして3つ目は、ペンのパッケージ。紙で作られたパッケージをよく見ると、細かなパーツがデザインされていて、そのパーツを組み立てていくと小さなペン立てになる。
パッケージもゴミにはならない。

ボールペンが入っていたパッケージ

持続可能な社会につながる要素が詰まったボールペン。
このペンに彩りとデザイン性を加えているのが、刺しゅう作家のヒナカさんだ。

刺しゅう作家・ヒナカさん:
SDGsや環境問題に特化し、追及したブランドを目指していくという所が非常に共感できるところでした

ヒナカさんは、大勢の人が店頭で刺しゅうのデザインを見てペノンを手に取り、SDGsを知るきっかけになればと話す。

長く使い続けたくなるデザイン

さらに、刺しゅうのもう一つの役割に気づかせてくれたエピソードがあった。

ヒナカさん:
ネコちゃんのフラッグペンを選んだ時に、自分の飼っているネコの顔に一番近い顔の子を選んで買いましたというお声をいただいて、愛着持っていただいたものは捨てずに長く使ってもらえるので、すごくサステナブルなことだと感じました

ネコの刺しゅうが入ったボールペン

地元島田市からも、ぺノンを通じてSDGsを発信しようと動き出している。

カフェオーナー・菱谷さん:
ここだけ差し替えられるのも面白いかな

JR島田駅前の公園の一角にあるコーヒーショップ「サンカクキッチン」。
3月、カフェの常連客であるヒナカさんがオーナーの菱谷さんと話をし、ペノンを店内で販売させてもらうことになった。

ぺノンを店内で販売するカフェ(静岡・島田市)

サンカクキッチン オーナー・菱谷真美子さん:
刺しゅうの糸からしてレーヨンという木の素材から作っているものとか、パッケージも普通はビニールにしたくなっちゃうじゃないですか。それも一切ない。とことんやっている所がかっこいい。ここに来る人達が、そういうことに少しでも興味を持ち始めてもらえればいいなと思ってます

値段は高めだが…未来への投資

2021年に開発されたばかりで認知度も低く、替え芯のリサイクルにかかる費用で採算もギリギリの状態となっているこのボールペン。
それでも長岡社長は、今の時代だからこそ、この取り組みを広めていけると前向きだ。

長岡社長:
SDGsという言葉が世界共通用語でできたので、会社の理念とか思い、今後やっていきたいことを言語化しやすくなった。大手も含め、プラスチックを作っている会社が一致団結してこういう取り組みができていくと、もっとより良い未来になるんじゃなかろうかなと思います

ぺノン 1本1200~1400円で販売

ぺノンは、SDGsのうち「つくる責任つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「陸の豊かさも守ろう」この3つの重点課題に取り組んだ商品だ。
1本1200円から1400円で、ボールペンとしては少々高めだが、替え芯を利用して長く使うこと、また簡単に捨てたくならないよう考えて設定された価格である。

(テレビ静岡)

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