5月1日に阪神競馬場で行われる平地GⅠ最長の芝3200メートル「天皇賞(春)」。

元騎手・細江純子さんが、“2強”と言われるタイトルホルダーディープボンドのどちらに注目するのか、またその2頭以外に注目するのはどの馬か、独自の目線で紹介する。

菊花賞馬タイトルホルダーが狙う2つ目のGⅠタイトル

タイトルホルダーは菊花賞でGⅠ初勝利を飾った
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今回2強の一角と言われているタイトルホルダーは4歳牡馬。戦績は10戦4勝。

昨年3月のGⅡ「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」を制し、4月に3歳馬の三冠レース初戦・GⅠ「皐月賞」2着、5月の第2戦・GⅠ「日本ダービー」6着を経て、10月の第3戦・GⅠ「菊花賞」(阪神・3000メートル)で、GⅠ初タイトルを飾った。

日経賞で他を寄せ付けず勝利したタイトルホルダー

今年に入り、前走3月26日のGⅡ「日経賞」(中山・2500メートル)では、先手を取り、ゴールまで他馬を抜かせず勝利。

今回騎乗するのは、前々走のGⅠ「有馬記念」(5着、中山・2500メートル)から3戦連続でコンビを組む横山和生騎手(29)で、GⅠ初勝利を狙う。

タイトルホルダーの馬名の由来は、“選手権保持者”。さらに、「父・ドゥラメンテ(日本)、母父モティヴェイター(英)、二代母父シャーリーハイツ(英&愛)がダービー馬なので」という理由もあり、まさに世界を股にかけたタイトルホルダー血統で、自身も「菊花賞」に続く2つ目のGⅠタイトルを目指す。

フランス遠征で強化!ディープボンドが目指すGⅠ初勝利

2強のもう一角・ディープボンドは5歳牡馬。戦績は16戦5勝だ。

GⅠ勝利こそないものの、今年の始動戦となった3月20日のGⅡ「阪神大賞典」(阪神・3000メートル)では、昨年に続き連覇を飾ったディープボンド。

3歳の時に制したGⅡ「京都新聞杯」(京都・2200メートル)と、パワーアップと大きな成長につながったという昨年のフランス遠征で勝利したG2「フォワ賞」(パリ ロンシャン・2400メートル)を合わせ、5勝のうち日仏合わせ計4勝がGⅡのタイトルである。

ディープボンドは今年も阪神大賞典で連覇を飾った

さらに、今回のライバルと目される相手・タイトルホルダー(5着)には、昨年末の「有馬記念」で2着と先着している。

また阪神競馬場では、4戦中、1着2回、2着2回、と強さを発揮しており、昨年2着の雪辱に燃える。

鞍上は、昨年のフランス遠征2戦と、3歳時の「皐月賞」を除き、デビューから全16戦中13戦で騎乗する和田竜二騎手(44)。

トレーニングセンターでも調子の良さを見せるディープボンド

和田騎手は、ディープボンドについて、「長距離には絶対的な自信があり、スタミナタイプだったことに加え、キレが出てきている。大きな武器です」と高く評価している。00年・01年とテイエムオペラオーと共に連覇した「天皇賞(春)」(京都・3200メートル)以来、同レース21年ぶりの制覇を懸けて臨む。

ディープボンドの馬名の由来は、「深い絆」。父が13年のダービー馬・キズナ(絆)で、その父が言わずと知れた名馬ディープインパクト(3歳馬のクラシック三冠を含むGⅠ7勝、14戦12勝)という、まさに深い絆を感じる血統だ。

この「天皇賞(春)」で、悲願のGⅠ初制覇に挑む。

元騎手・細江純子さん 2強と馬券に絡む?注目馬はー

「みんなのKEIBA」に毎週出演中の、元騎手・細江純子さんに、この「2強」、どちらが勝つのか聞いた。

細江純子さん

「今回、近走の走りから中心は8枠18番ディープボンドでしょう。海外を経験したことにより、フットワークに柔らかさがうまれました」

細江さんは、2強の中ではディープボンドのフランス遠征による進化を評価。ただし、「ただ枠が大外となり、その点によって、内で巧く立ち回れそうな馬にもチャンスが生まれた気がします」と続ける。

3200メートルの長距離とは言え、細江さんの指摘の通り、位置取りも勝敗を左右する要素だ。

ディープボンドは8枠18番、タイトルホルダーが8枠16番と、2強は共に8枠に入ったことで、内の枠に入った馬にも注目だと言う。

「例えば1枠1番のアイアンバローズ。『もともと折り合い面の難しい馬で、調教においても坂路で60を切る形でしか乗れなかった。それが今は65あたりで乗れるようになり、普段、調教で騎乗している黒野助手も、今ままでの中で1番おさまりがつくようになっている』と、担当の上村さんは話しています。

前走はGⅡ・阪神大賞典で、ディープボンドの2着でしたが、筋肉量がアップしており、状態面においても確実に前走以上。一発ありそうな気配です」

アイアンバローズ(阪神大賞典)

最も内側の1枠1番アイアンバローズの精神面・馬体の成長と状態の良さに、注目。

そして、さらなる注目馬を挙げた。

「また個人的に応援したくなるのが、7枠15番タガノディアマンテ。この馬は屈腱炎により競走馬生命の危機があった馬です。そして今でも脚元のことを考え、プール調教を取り入れているのですが、その数が凄い。なんと1日6周。通常ですと2周。多くて3周。しかも坂路調教後にプールへ。昨年の9月の帰厩から数えると、軽く800周は超えている状況です。

この過程は人馬共に体力&時間を要すること。『松浦さん(担当助手)も大変でしたね』と声をかけると、『いや、俺は何にも。とにかく、この調教メニューに耐えてくれた馬が凄いし偉い』と」

タガノディアマンテ(京都記念)

「また前走GⅡ・京都記念は、道中、ハミを噛む形で、通常ならばバタバタになってもおかしくない中で2着。今回、戦法的に前で運びそうな気がしていて、スタート後の二の脚があまりないタイプゆえ、内枠よりも、この枠で良かったと思えます」

細江さんは、タガノディアマンテと担当の松浦助手ら、人馬の並大抵ではない努力に注目。ここまでの歩みが、ついに重賞初制覇、しかもGⅠという大舞台で実を結ぶだろうか。

「よって私は今回の春の天皇賞は、8枠18番ディープボンド、1枠1番アイアンバローズ、7枠15番タガノディアマンテの3頭に注目しています」

細江さんは、競馬中継内のパドック解説など、直前まで馬の様子を見て「イチオシ」を決めて発表する予定だ。

そのレース前の最新情報も注目で、「みんなの夢馬券」コーナーの予想もお楽しみ頂きたい。

2強の戦いで今年初の1番人気・GⅠ制覇となるか?

今年のGⅠレースは、いまだ、1番人気の馬が勝利していない。

2月20日:GIフェブラリーS・カフェファラオ(2番人気)
3月27日:GI高松宮記念・ナランフレグ(8番人気)
4月3日:GI大阪杯・ポタジェ(8番人気)
4月10日:GI桜花賞・スターズオンアース(7番人気)
4月17日:GI皐月賞・ジオグリフ(5番人気)

平地GⅠ最長3200メートルを制するのは、“2強”の1番人気なのか、それとも他の馬なのか―。今年の「天皇賞(春)」の勝者は、果たしてどの馬が勝つか、目が離せない。
 

みんなのKEIBA
天皇賞(春)​・GI
5月1日(日)15時から生中継

https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html

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フジテレビスポーツ局が制作する競馬情報番組。毎週・日曜日午後3時より放送中。番組MC:DAIGO/佐野瑞樹/堤礼実 解説者:井崎脩五郎/細江純子 ※放送時間は変更される場合があります