拉致問題担当相を兼務する松野博一官房長官は20日、横田早紀江さん(86)や、めぐみさんの同級生らと面会し「拉致問題の解決、全員の帰国を早期に実現したいとの思いで取り組む」と改めて決意を述べた。

面会で松野長官は、拉致被害者の横田めぐみさんの同級生らが、街頭やSNSを通じて集めた早期帰国を求める1572筆の署名を受け取った。
横田めぐみさんと小学校・中学校と同じクラスだった池田正樹さん(57)は、政府が拉致問題を最重要課題に位置付けていることに謝意を述べつつ、解決に向けては「全然進んでいない」として、新たに「最優先」最重要課題と位置付けることや、現在、官房長官との兼務職となっている拉致問題担当相の「専任大臣化」に加え、解決に向けた「工程表の提示」などを要望し、早期帰国の実現を訴えた。

横田めぐみさんの母・早紀江さんは面会後、記者団に対し「拉致事件は今のウクライナと同じ。平和に暮らしていたところに、北朝鮮からの指令で工作員が上陸し、たくさんの罪の無い人たちを袋に入れて連れて行くような蛮行をしている」と話した。
その上で「これだけの立派な方がたくさんいらっしゃるのに、誰も取り返すことができない」「本当に日本はなめられっぱなしになってしまって、皆様方がこれからお子さんを育てて行かれるのに、こんなことを放っていていいのか」と訴えた。

面会の中で松野長官は、横田さんや同級生らに対し「私はめぐみさんと同年代。誰が被害に遭ってもおかしくない。拉致問題の解決、全員の帰国を早期に実現したいとの思いで取り組んでいる」と応えた。
当時13歳だった横田めぐみさんが拉致されてから、今年で45年になる。