ウクライナから日本への避難民が550人を超える中、岸田首相は16日、紛争地からの避難民の受け入れについて、「ダブルスタンダードにならないように日本としてのありようを今、考えている」と述べ、「準難民」として保護する制度の検討を進める考えを強調した。

ウクライナ避難民のような紛争避難者らは、難民条約上の「難民」にあたらないことから、適切に保護するための制度の創設を政府内で検討している。

岸田首相は、訪問先の新潟市で行われた車座の対話で、学生から「日本は今まで多くの戦争地帯からの避難民を他の先進国に比べ、難民として受け入れてこなかった現実がある。『ここからの戦争地帯の人を受け入れる』『ここからの戦争地帯の人は受け入れられない』といった、ダブルスタンダード、少し矛盾したところがあるのではないか」と問われた。

これに対し、岸田首相は、「日本は難民条約に基づいて取り扱ってきたが、今回は人道的な見地から、ウクライナ避難民の受け入れを考えている」と述べた上で、「条約上、難民にあたらないが、人道的な見地から受け入れなければらない方々に対しては、難民に準ずる形で受け入れようということで、法務省が仕組みについて検討を進めている」と説明。

さらに、「『この国が良くて、この国が悪い』というダブルスタンダードにならないように、日本としてのありようを今考えている」として、紛争避難者らを「準難民」として保護する制度の検討をいっそう進める考えを強調した。

政治部
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