「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が来週19日、全国の2万8863校(※)で行われる。小学校6年生と中学校3年生の全員が対象で、およそ208万5000人(※)が受ける見通しだ。対象となる教科は「国語」「算数・数学」、今年は3年に1度実施される「理科」も含まれる。(※後日実施の学校も含まれる)

新要領での初実施 "第6波”の影響は?

2021年度から、中学校の学習指導要領が変わった。今回の全国学力テストは、新しい要領となってから初めての実施となる。新要領では、「思考力」「判断力」「表現力」などが重視されていて、学力テストの問題も、それに沿って作成されている。

また、新型コロナウイルス禍で実施される2回目のでもある。今年に入り「第6波」の影響で、休校や学級閉鎖が相次いだなか、児童・生徒の学力に影響はあるのか。全国の小中学校では「1人1台端末」が進められ。コロナ渦でも自宅で学習支援を受けられる環境が整ってきた。

文部科学省は、去年5月に実施された前回の学力テストの結果について、「全体でみると、コロナ前後で学力低下などの変化は見られなかった」と結論づけた。一方で、家庭の経済状況と学力格差についても調査を進めている。

家庭での”工夫”が子供の学力を変える

近畿大学の丸岡俊之教授(教育行政学)は「子どもが家庭で過ごす時間が多くなると、家庭状況により、学習内容の理解度や到達度に差が生じる」と強調する。ただ、子どもの学力に影響するのは”経済力”だけではないという。

丸岡教授は「親が子どもの学習や行動に関心を持っているというメッセージが伝わっていることが大切」とした上で、短い時間でも「今日はどんな事を学んだのか」「学校でどんなことがあったのか」など子どもから学習状況を”聞く”ことが重要だと指摘する。

また、学習時間と遊びの時間について、家庭で話し合ってルールを決めるなど、子どもが、自律的に学習に取り組めるよう工夫することも大切だという。

社会部
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