コロナによる学校の休校や学級閉鎖の影響で、給食牛乳の提供がストップ。厳しい現状を乗り越えようとする乳業メーカーの取り組みを取材した。
学級閉鎖や休校で売り上げ7割減…老舗乳業メーカーの挑戦
創業100年を超える宮崎市の「白水舎乳業」は、牛乳・乳製品の製造・販売を行っている。
宮崎市内の小中学校など47校に給食の牛乳を提供しているが、コロナ禍で、休校や学年・クラスの閉鎖の影響を受けている。
白水舎乳業・都成謙三社長:
連絡が急に来たりとか、朝(配達に)出発した後で来たりとか、伝票を変えたりというのが大変です
コロナの感染拡大が始まった2020年、売り上げが一気に7割減った。現在は1割の減少までに回復しているが、不安は尽きない。
そんな中、白水舎乳業では、牛乳の原料となる生乳を活用しようと様々な取り組みを行っている。
社員のアイディアから誕生した、もなかアイスとプレミアムシューアイスは、店頭ではもちろんネットでの販売も人気だ。優しい甘さと濃いミルクの味が、皮と合う商品になっている。
客足が減っても生乳を仕入れてくれた"つながり"
酪農家とのつながりを大事にして「生乳を活用したい」という思いは、こんなところにもあった。
石川牧場・石川幸次さん:
わが家の生乳100%のソフトクリームを販売しています
宮崎市にある道の駅「高岡ビタミン館」で提供されている白水舎のソフトクリームは、石川牧場の生乳100%だ。コロナの影響でイートインスペースが閉鎖されるなど、客足が減った時期があったが、石川牧場の生乳を仕入れ使い続けた。
石川牧場・石川幸次さん:
これから(感染者が)増えだしたら学校・学級が閉鎖されるのが心配。毎日一生懸命仕事をしているので皆さんに食べてもらえて嬉しい
白水舎乳業・都成謙三社長:
乳業と酪農家は車の両輪のようなもの。「酪農家がいなかったら乳業は成り立たない」という協力関係にあります
また、祭りやイベント会場でソフトクリームなどを提供する移動販売車も、イベントがないため稼働できずにいたが、2021年夏ごろから保育園や幼稚園などおよそ10施設の依頼を受け、出向いたそうだ。
白水舎乳業・都成謙三社長:
これは笑顔を集める仕事、意義ある仕事だなと思い、こういうのを続けたいと思いました
厳しい時だからこそ出来ることや、新たな挑戦。ピンチをチャンスに、コロナ禍を乗り越えていく。
(テレビ宮崎)