この春、原油や原材料の高騰で値上げが相次いでいる。
手頃な価格で親しまれてきた福岡生まれのチロルチョコは、どうなるのか? 松尾製菓の販売担当に話を聞いた。
春に吹き荒れる値上げの嵐…
原油や原材料の高騰で相次ぐ値上げ。チーズにサラダ油、紙おむつなど家計に直結するものばかりだ。
さらにこの春、業界に衝撃が走った。42年にわたって1本10円を守り抜いてきたスナック菓子「うまい棒」が2円値上げされ、12円になったのだ。
手頃な価格で愛されてきた福岡発祥のチロルチョコは、どうなっているのか?
子どもたちのささやかな楽しみにも影響が広がる、原材料の高騰や原油高。福岡の松尾製菓が全国に送り出す「チロルチョコ」も無縁ではないはずだ。
店頭でよく見かける定番商品は、現在は1個20円。10円玉2枚で手に入る甘~い幸せは、もう味わえなくなるのか。
松尾製菓の販売担当・瓦田睦実さんを直撃した。
松尾製菓・瓦田睦実さん:
うまい棒の値上げは正直、結構 衝撃を受けました。すごい大変な時代になったなと
吹き荒れる値上げの嵐を、チロルチョコは切り抜けたのだ。
ミルクやコーヒーヌガーなど4つの定番商品は、価格が据え置かれることになった。
新商品も続々だが…会長・社長試食でボツになるモノも
とは言え、1個20円で採算をとるのはかなり厳しいのが実情だ。
松尾製菓・瓦田睦実さん:
カカオや砂糖の値上がりも(重なり)一番大変。輸送費とかもありますし、工場の方も燃料的に使うことがありますので
(Q.20円の商品ばかり食べられたらきつい?)
松尾製菓・瓦田睦実さん:
そうですね(笑) そこら辺に負けないよう、プレミアム系の商品を作って
松尾製菓では、2~3カ月に1度のペースで、季節のフレーバーやプレミアムな新商品を売り出している。厳しい基準をクリアするための試行錯誤が、社内では日々繰り返されているという。
松尾製菓・瓦田睦実さん:
社長と会長が試食されないと、絶対世に出さないという流れになってますので。とんこつラーメンみたいな味も、ウナギのかば焼きとか色んな味も…
(Q.社長の試食でダメに?)
松尾製菓 瓦田睦実さん:
そうですね。作っては消え、作っては消え…
松尾製菓 瓦田睦実さん:
おいしさは必ずあるのと、再現性で驚いていただける…そういう商品をどんどん作っていきたいなと思っています
発売60周年を記念 値上げに逆行“マシマシキャンペーン”
そんなチロルチョコは、2022年で発売60周年を迎えた! 全国のファンへの感謝を込めて、値上げの流れに逆行した企画に打って出る。
松尾製菓・瓦田睦実さん:
包材とか、もろもろ作ってしまったので、今更引き返せないということで、増量ということで商品を提案させていただこうと
(Q.「+3個」みたいな包装紙を作っちゃった?)
松尾製菓 瓦田睦実さん:
そうですね、こういう値上げの流れになると思ってなかったので(笑)
その名もマシマシキャンペーン! 4月から、バラエティーパックやミルクヌガーパックの中身を増量する。
松尾製菓・瓦田睦実さん:
チョコレートは甘くて、食べるとホッとしたり、うれしい気持ちになったりすると思うんですけど。ぜひ食べていただいて、大人になっても孫の代、ひ孫の代まで受け継いでくれればと思います
発売以来60年にわたって、手頃な価格で親しまれてきた福岡生まれのチロルチョコ。
お値段据え置き「20円の幸せ」が、値上げ値上げで冷え切った懐をチョコっと温めてくれそうだ。
(テレビ西日本)