2019年、SNSを通じて知り合った、大阪市の小学生の女の子と、茨城県の女子中学生を、それぞれ栃木県・小山市の自宅に連れ去り、誘拐するなどした罪に問われた伊藤仁士被告(37)の判決公判が、午後2時から開かれた。水戸地裁は、伊藤被告に、懲役20年(求刑・懲役24年)の実刑を言い渡した。

判決では、「ツイッターを使い誘拐し、いずれも年少の被害者の思慮の浅さに付け込んだ卑劣な犯行で、被害者の人間としての尊厳を一顧だにしない醜悪な行為」と断罪した。

起訴状や取材などによると、伊藤被告は、2019年11月、SNSを通じて知り合った大阪市の小学6年生の女の子(当時12歳)を、近所の公園まで誘い出した後、電車を乗り継いで、栃木県・小山市の自宅まで連れ去り、誘拐したとされる。

また、同じ年の5月ごろ、SNSを通じて知り合った茨城県の女子中学生(当時15歳)を、車で自宅まで連れ去り、誘拐するなどしたとされる。大阪市の女の子が、誘拐された6日後に、自力で逃げ出し、近くの交番に駆け込んだことで事件が発覚。

警察官が、伊藤被告の自宅を調べたところ、茨城県の女子中学生も見つかり、保護された。女子中学生は、およそ半年に渡って、伊藤被告宅で生活していたことになる。この間、行方不明者届を受けた警察が、7月に自宅を訪問していたが、その際、女子中学生は、伊藤被告に、床下に隠れるよう指示され、助けを求めることができなかったという。

検察側は、SNSで自殺をほのめかしていた少女2人の悩みに乗じた犯行と指摘し、懲役24年を求刑。一方、これまでの裁判で、伊藤被告は「甘言を用いて誘拐した事実はない」と述べ、少女2人の相談に乗ったり、自殺を止めるためだったなどとして無罪を主張している。また、女子中学生については、結婚を前提に交際していたとも主張している。