東日本大震災クラスの津波が起きても到達する可能性が低い、内陸部に位置する札幌市。
都市部での人的被害を減らすには、津波避難とは違った視点が必要だ。

「避難生活の備えが、どれだけ自分で出来ているかが重要」と訴えるのは、11年前に東日本大震災で被災した経験を持つ、北海道防災教育アドバイザーで防災士の佐藤伸博さん。
現在は札幌市で防災について啓発活動を続けている。

津波が来なくても被災者に…「自分の身は自分で守る」

 
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佐藤伸博さん:
考え方としては、まず自分の身は自分で守る。それができた上で共助、身近な人との支えあい、助け合いで数日は乗り切っていく

東日本大震災で、佐藤さんは仙台市の内陸部に住んでいたため津波被害は受けなかった。
しかし電気は1週間、水道は10日、ガスは1カ月間止まったため、とても苦労したと言う。

中でも一番こたえたのが寒さだ。

「寒さ対策」は絶対に必要

佐藤伸博さん:
家の中では毛布にくるまるだけでは寒かったので、スキーウェアを着て毛布にくるまってという形ですごしてましたね

佐藤さんが備えている防災グッズの中から、北海道民にお勧めしたいというのがこちら。停電時でも暖を取れる、電源を必要としない乾電池式のストーブ。

中でもおすすめは…

佐藤伸博さん:
ストーブの上に煮炊き台があるのが良いという話は、いつも提案しています

そして、町内会に一つでもあったら皆が助かるというアイテムがこちら。
屋外の灯油タンクからも灯油を取り出すことができる大きなポンプ。

佐藤伸博さん:
ドラム缶用の長いやつですね。ホームセンターで購入できます

そして寒さ対策同様に重要なのがバッテリー。

「バッテリー」も欠かせないアイテムに

災害状況や安否情報を確認するため、東日本大震災の時も充電できる場所に人が殺到した。
佐藤さんは、スマホの充電ができる小型のモバイルバッテリーに加え、車載用の比較的大きなバッテリーも準備している。

佐藤伸博さん:
スマートフォンが4回くらい充電できます。車のシガーソケットからも充電できるタイプなので便利です

最後に重要なのが、やはり食糧。
佐藤さんは、日常食べているものを多めに買って、使った分だけ補充していく"ローリングストック"の方法で、約1週間分を常に備蓄しているという。

佐藤伸博さん:
一人一人が自分に必要なものを用意をしておく、備えをしておくということが、大きな公的機関が助けが本当に必要な人に集中できる流れにつながる。トータルで救える命が増えていきます

(北海道文化放送)

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