宿泊客の激減に悩む静岡・伊東市が、首都圏の女性を招いてモニターツアーを行った。市内のグルメや絶景スポットを巡り、女性にうけるツアープランのヒントをつかむためだ。はたして伊東には、女子たちが旅にでかけたくなるような魅力があっただろうか。

伊豆観光のリーダー格にもコロナ直撃

伊豆半島の東に位置する静岡・伊東市。
年間の宿泊客は約300万人で、隣接する熱海市と並ぶ伊豆の一大観光地だ。

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しかし新型コロナの影響は大きく、宿泊客は2020年が182万人、2021年が165万人と、1963年の統計開始以降、2年連続で過去最少となった。観光産業は苦境に立たされている。

ただ手をこまねいているだけでなく、アフターコロナの観光需要の掘り起こしにつなげようと、1月に女性をターゲットにしたモニターツアーが行われた。

首都圏などから14人が参加
首都圏などから14人が参加

市長も「売り出し方を教えて」

参加したのは首都圏などの20代から50代の14人で、ほとんどの人が伊東市の訪問は初めてだ。

参加者:
正直、(伊東市は)あんまり存じ上げなくて、何があるのかわからなかったですけど

別の参加者:
私も熱海の近くにあるのはわかってたんですけど、何が有名とか全然わかってない状態で参加しました

最初に立ち寄ったのは、地魚料理が自慢の店だ。

地魚料理が自慢の店で
地魚料理が自慢の店で

ここには市長も訪れ、参加者に期待をよせた。

伊東市・小野達也市長:
「伊東はもっとこういう所を売り出した方がいいよ」ということを教えていただいて、いろいろなお客様の掘り起こしにつなげていければと思っています

提供された食事は海鮮丼、地元でとれたアジやキンメにイカだ。参加者は新鮮な海の幸に舌鼓を打っていた。

参加者:
地魚を食べる機会がなかなかないので、すごい感動。めちゃめちゃ美味しい

別の参加者:
コリコリして新鮮でおいしいです

噴火でできた地形に驚き

1泊2日のモニターツアーのテーマは、「働く女性の週末のワンランク上の女子旅」だ。
伊東市にしかない自然、ジオサイトを体感してもらった。

噴火でできた大室山
噴火でできた大室山

(噴火でできた大室山に登って)
参加者:
すごい、すごい。まさに溶岩って感じ

参加者:
ほんとだ、すごい

(富士山をバックに記念写真)
参加者:
山も海もどっちも見られて、すごい景色がきれい

山頂からは富士山が見える
山頂からは富士山が見える

(大室山噴火の溶岩が流れ出た城ヶ崎海岸)
ガイド:
崖の下の方を見ると柱状節理、6角柱の柱があります。ちょうど波打ち際のあたりですかね

大室山の溶岩が流れ出た城ヶ崎海岸
大室山の溶岩が流れ出た城ヶ崎海岸

参加者:
(つり橋の)下が真っ白、波って感じ。いや怖い、ヤバイ揺れてる

別の参加者:
揺れ方が尋常じゃない

城ヶ崎海岸の吊り橋
城ヶ崎海岸の吊り橋

昭和の建物にうっとり

参加者が宿泊するホテルも大きなPRポイントだ。
平成生まれの若年層に人気の「クラシカル」が伊東市で楽しめる。昭和初期に建築された建物が残っているからだ。

1936年(昭和11年)に開業した川奈ホテルは、開業当時の姿や家具などが残されていて、国の登録有形文化財にも登録されている。

昭和11年開業の川奈ホテル
昭和11年開業の川奈ホテル

参加者:
(部屋のカーテンを開けて)すごーい、めっちゃプール見える、海も見える。(部屋のデザインなど)細かいところがすごいおしゃれだなと思います

川奈ホテルの部屋
川奈ホテルの部屋

東海館は1928年(昭和3年)に開業した木造3階建ての温泉旅館で、当時の大工の技を肌で感じる事ができる。今は、伊東市の観光文化施設として利用されている。

昭和3年開業の東海館
昭和3年開業の東海館

参加者:
すごい。写真撮っておこう

女子に好評 情報発信できるか

食に、自然に、クラシカル。
伊東の魅力を体験した女性たちに満足度を聞いてみた。

参加者:
“クラシック女子”にはたまらない昭和レトロあふれる建物とか、雰囲気がある所がギュっと詰まっていて、(私は)平成生まれなので、レトロや昔というより新鮮な気がする

東海館の部屋を撮影する参加者
東海館の部屋を撮影する参加者

別の参加者:
建物が都内のクラシックと違うし、箱根とも違う。場所も1カ所じゃない。それに街全体がジオサイトで盛り上がっているので、ちゃんと(伊東について)調べてくれば何度も足を運べるなと思いました

モニターツアーの参加者
モニターツアーの参加者

好評だった体験ツアーだが、伊東市自体を知らなかったという声も聞かれ、観光地としてのPR不足やその手法についても見直す時期にきているのかもしれない。

伊東市観光課・日吉直樹主事:
新鮮なリアクションを頂いて、伊東市のポテンシャルは高いと再認識しました。今までの観光誘客だけだと(宿泊客の落ち込みを)回復傾向に持って行くのも難しいので、いろいろなベクトル(方向)から皆さんに情報を伝えていきたい

アフターコロナを見据え、様々な観光地が観光客の獲得に向け動き出す中、魅力ある街づくりはもちろん、時代に合った情報発信がカギを握りそうだ。

大室山山頂で写真を撮る参加者
大室山山頂で写真を撮る参加者

(テレビ静岡)