ウクライナ被害を3D化「早く平和な世界を取り戻すため」

これは首都キエフから40キロほど離れた、ボロディアンカの街の様子を3D化したものです。

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砲撃によって破壊されたとみられる建物をズームしてみると、瓦礫や黒く焼け焦げた壁の様子がよく分かります。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府​ 渡邉英徳教授:
今回の3Dデータを載せることによって世界中の人が、自分と地続きの地球の上で起きている出来事なんだという実感を持ってくれますし、三次元のデータにすれば、いろんな方向から眺めて、どのような被害が生じているのかということを深く知ることができます。そのために公開しているものです。

この3Dを作成したのは、東京大学・大学院の渡邉英徳教授。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府​ 渡邉英徳教授:
近寄って右側のオレンジ色になっている窓にまだ火が燃えていたり、地面でもまだ火が燃ている部分がありますね。こういう細かいところも観察できます。

こちらの画像では、道路の真ん中で無造作に並んだ数台の車が。

拡大してみると中心にある車は、大破しています。

周囲の車は、爆発に巻き込まれたのでしょうか。こうした3Dを作るためのデータは、現地の人の協力のもとに成り立っているといいます。

こちらは、完全につぶれてしまった車を3D化したもの。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府​ 渡邉英徳教授:
これはマクシムさんっていうウクライナのお住まいの方がその車のデータを取りに行ったんですね

実はこの車、2月、ロシアの侵攻直後に戦車によってつぶされたものです。

公開された画像の中には、街の様子以外に、こんなものも。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府​ 渡邉英徳教授:
シェルターですね。これは普段の地下室だそうなんです。

ウクライナ国内で住民が避難しているシェルターを3D化したもの。むき出しの配線や、照明なども、よく分かります。このシェルターの3Dを作るためのデータも自分たちの現状を、少しでも世界に知ってもらいたいと、避難を続ける人たちが、進んで情報提供をしてくれたといいます。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府​ 渡邉英徳教授:
戦争によって起きている悲惨な状況をなるべく多くの人に伝えてこう。早く平和な世界を取り戻す為の戦いだと思う。

(「めざまし8」3月10日放送)