国連によるとウクライナから国外に避難した人は200万人を超えました。ロシア軍による“無差別攻撃”が各地で続く中、危険と隣り合わせの避難者。その中には日本への避難を試みる人も。めざまし8は、ウクライナに住む母親と妹が避難を試みている、日本在住の女性を取材しました。

ポーランドまで“約1000km” 孫に会うため…日本への避難を希望

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ヴェロニカさん:
ミサイルがもう頭の上にめっちゃ近くを飛んだとか結構ありましたね。
 

取材したのは、ウクライナ出身で鹿児島市に住むヴェロニカさん25歳。ヴェロニカさんの母親と妹は、ウクライナ東部にあるドニプロ市に住んでいましたが、情勢の悪化に伴い、日本へ向け避難することを決断。

ヴェロニカさん:
日本が受け入れるようになってますみたいな感じで、お母さんにちょっと早めに来なさいよと、出られなかったらもうそのまま避難できなくなる。ちょっと強めに言っていました。(日本に)こっちに来るように。
 

お母さんを動かす決め手になったのが、「孫に会いたい」という気持ちでした。ヴェロニカさんと日本人の夫との間に2021年生まれた長男。今まで会うことが出来なかった孫に会うためにも、日本への避難を希望したといいます。

しかし、ドニプロから隣国ポーランドまでの距離はおよそ1000km。日本で言えば、東京から鹿児島までという長い道のりでヴェロニカさんの心配は絶えません。

さらに、現地は電波状況が安定していないためSNSを使い13歳の妹とやりとりしています。

アプリで“位置情報”を確認…到着まで不安な“3日間”

当初は電車での移動を考えましたが、あまりに人が多く時間がかかるため、親族と共に車での移動を決めました。

ヴェロニカさん:
本当に車で行かせるのはめっちゃ嫌だったんですけど…
 

心配する家族を見守るために携帯の位置情報が確認できるアプリを利用し、現在地を確認しているといいます。

ヴェロニカさん:
どこにいる、大丈夫ってしか聞けなかったんですよね。ちょっと走ると電波悪く、お母さん大丈夫とか、それぐらいですね。ちょっとやっぱり何かみんなちょっと不安と緊張してて…
 

余り詳しい状況が分からず、不安だった3日間。それでも。

家族は、ドニプロから車でおよそ3日間かけて、日本時間の3月8日夕方、無事ポーランドに到着しました。

その直前、送られてきた動画では、安堵感からか同乗する親族も笑顔をのぞかせていたといいます。しかし、ヴェロニカさんには不安があります。

ヴェロニカさん:
何か飛行機とか大丈夫なの?やっぱりミサイルとが飛んだりするから飛行機に…。ちょっと怖いんで…。(日本に)来られるか、まだ分からなくてどんな感じで来られそうなのかなと思ってですね。お母さんが大使館に着いたら、またちょっと詳しく聞いてみたいなと思っています。ちょっと本当にお母さんのペースでいいですけど、ただお母さんに早く会いたい。
 

ポーランドに到着した家族については。

ヴェロニカさん:
ワルシャワのゲストハウスなんかは無料で泊めてもらっていて、やっとお母さんと妹たちもちゃんと寝られて、お風呂入れて普通の生活に戻れた感じで良かったですね。
 

また、ヴェロニカさん自身の心配はありながらも、「避難中は安全な感じで意外と大丈夫だった」日本へ避難する際には、「相手側はパスポートを持ち、こちら側は身分保証書を準備すれば大丈夫のようだ」と語りました。
実際、3月2日に岸田総理大臣がウクライナの方々を日本に受け入れると発表がありました。

“ハードル高” 通常の難民申請「G7で足並みを揃える」

現状、8日までにウクライナからの避難民8人が入国。しかし、これまでいわゆる難民を受け入れるには、日本は非常にハードルが高かった背景があります。2020年は難民申請3936人に対して、認定が降りた方がわずか47人という状況でした。

今回の対応について、フジテレビ報道局解説委員の風間晋氏は。

フジテレビ報道局解説委員 風間晋:
ウクライナの人たちを受け入れるということは、G7で足並みを揃えてやろうということでもありますし、EUもそうですけれども。そういう意味において、日本も他の国々に見劣りしない感じで、積極的に受け入れていこうということですよね。
 

(「めざまし8」 3月9日放送)