岸田首相、公明党の山口代表は4日、国会内で、国民民主党の玉木代表と会談した。玉木代表は、岸田首相らに対し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを受けて高止まりしている原油価格対策として、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除に向けた検討を集中的に行うべきだと提案した。与野党のトップが政策協議を行うのは異例のことだが、双方の主張からは温度差が浮き彫りとなっている。

3党首会談に臨む岸田首相(4日 国会内)
3党首会談に臨む岸田首相(4日 国会内)
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「トリガー条項」とはガソリン価格高騰時に約25円分の税金を軽減するもので、東日本大震災の復興財源を確保するため、運用が現在凍結されている。国民民主はかねてから、ガソリン価格高騰の切り札として「トリガー条項」の凍結解除の導入を主張していた。一方で、政府与党内からは、対策の一つとして検討はされているものの、地方財源の税収が減少することなどを理由に、慎重な意見がある。

加えて、岸田首相は3日の記者会見で、高騰するガソリン価格への対応について、補助金の上限を現在の1リットル5円から25円に引き上げることを表明。「すでにトリガー条項の凍結解除と同様の対策を取っている」(閣僚経験者)との見方も出ている。

「野党に居場所がない」から与党に接近?

こうした状況の中、異例の会談を呼びかけた玉木代表について、与党内からは冷ややかな声が聞かれる。閣僚経験者の一人は「国民民主党は連立政権入りまで狙っている。なぜなら、野党に居場所がないからだ」と、来年度予算案に賛成した国民民主党が、野党内で孤立しているため、生き残りのため与党への接近を強めているの見方を示す。また公明党内からは、今回のトップ会談について「玉木は必死で、そのパフォーマンに付き合ってあげている」との声が出ている。

会談後、玉木代表は記者団に対して、岸田首相から「トリガー条項」凍結解除に向けて、「各党の実務者レベルで協議を進めていく提案があった」として「一歩前進だ」と評価した。しかし、岸田首相は記者団からの「合意したことはあったか」との問いかけに「決まったことはない」と話し、山口代表も、実務者レベルでの協議について、「今日はそこまでの話はしていない。まず考えを伺ったということ」と玉木代表と与党の間では、認識の違いが生じている。

3党首会談に臨む公明党・山口代表(4日 国会内)
3党首会談に臨む公明党・山口代表(4日 国会内)

野党間にくさび? 前向きな声も

一方で自民党重鎮は、「連合を揺さぶるという狙いがあるのでは」との見方を示す。組合員700万人ともされる「連合」は国民民主党や立憲民主党の支持母体の一つのため、与党としては国民民主を囲い込むことで、参院選に向けて、連合と野党の間にくさびを打ち込む狙いも透けて見える。

また自民党幹部から「建設的な関係を期待したい」(福田総務会長)と前向きにとらえる声も出ている。

3党首会談に臨む国民民主党・玉木代表(4日 国会内)
3党首会談に臨む国民民主党・玉木代表(4日 国会内)

三者会談直後には「決まったことはない」と述べた岸田首相も、その3時間半後の記者団の取材に対して「今後も意見交換は続けていこうということになった」と語った。さらに「玉木代表から連立参加や閣外協力の求めがあればどう考えるか」と問われたのに対し、「仮定の話に答えるのは控える」と述べるに留めた。

今後、与党と国民民主党がどのような関係性を築いていくのか。「大勢に影響はない」(自民党幹部)との指摘もあるが、夏に参議院選挙が迫る中、野党共闘の枠組みも含めて不透明な状況が続く。

(フジテレビ政治部)