新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が進められる中、大正製薬がワクチン接種後の副反応に関する、興味深い調査結果を公表した。
2月3日発表の調査結果で、新型コロナウイルスワクチンの1回目と2回目の接種後、発熱などの副反応が出ても、5割超が会社や学校などを休まなかったことが分かったのだ。
調査は2021年12月、15歳以上の男女1664人を対象にインターネットで実施。「副反応があったとき、会社や学校などを休んだか」と聞いたところ、54.3%が「休まなかった」と回答。
一方で、「1日休んだ」は26.8%、「2日間休んだ」が14.5%、「3日間休んだ」は4.4%。合わせると45.7%で、5割弱は休みを取って対処していたことになる。

「会社に行ったら熱が出て、解熱剤を飲んで乗り切った」
ワクチン接種の副反応についてはたびたび話題になるが、発熱などの副反応が出た場合は、休んで安静にしていた方がいいはず。会社などを休まなかった5割超は、どのような状況で休まなかったのか?
大正製薬の担当者に具体的な状況を聞いた。
――「休まなかった」と回答した人の具体的な状況は?
調査では、以下のようなコメントが寄せられています。
・接種翌日の夜から熱が出て、解熱剤を飲んだ翌日は、ある程度、下がったので、会社に行った(男性・50代)
・会社に行っていたら熱が出て、解熱剤を飲んで乗り切った(女性・20代)
・どんな副反応が出てもいいように翌日休みの土曜日に接種した(女性・50代)

――一方で、「休んだ」と回答した人の具体的な状況は?
「1日」「2日間」「3日間」と回答した方のコメントは、それぞれ、以下になります。
【1日】
・打って数時間経つと腕の痛みが出てきた。その後、倦怠感や微熱があり、頭痛もあったので解熱鎮痛薬を飲んだ。症状は軽かったが、念のため、翌日1日だけ会社を休んだ。
【2日間】
・発熱は薬の服用で良くなったが、倦怠感が続いたため2日ほど安静にして家事などを休んだ。
【3日間以上】
・打った次の日の夕方から腕が上がらなくなり、熱っぽくなってきた。その後、高熱になり、頭痛もした。薬を飲み、動くことが辛いため、学校を休んだ。食欲もあまり無かった。

――大正製薬ではワクチン接種の副反応に対応した休暇制度を導入している?
副反応に対応した休暇制度を導入しており、最大で2日の取得が可能です。
――ワクチン接種の副反応で発熱した場合、解熱鎮痛剤をどのように使ってほしい?
大正製薬のナロンシリーズ(ナロン錠、ナロンエースTなど)の効能には、「悪寒・発熱時の解熱」「頭痛」など、ワクチン接種時の副反応に対応できるものがございます。用法・容量を守って、服用していただくことで、症状を緩和する一助になればと思っております。
――ちなみに、3回目接種の副反応については、どのような傾向があると聞いている?
厚生労働省の発表している情報ですが、2回目と同等程度で、「接種部の痛み」「発熱」「頭痛」などの副反応があると把握しております。
なお厚生労働省によると、2022年1月17日現在で、3回目接種を受けた医療従事者2179人の接種後の症状を分析した結果、37.5度以上の発熱が39.4%、38度以上の発熱は21.0%にみられ、局所反応では疼痛(ずきずき痛むこと)が92.2%にみられたという。
これから3回目接種を受ける人は、接種後に発熱したら、解熱鎮痛剤を服用すると共に、適切に休息をとってほしい。また、会社側には適切に休息をとれるような環境づくりが求められるのではないだろうか。