国内外から、竹島に関わる古い地図を数多く収集する島根大学の准教授。なぜ集めるのか。そこには、平和的な解決を目指す決意が込められている。

江戸時代後期には竹島を認識していた日本

島根大学・舩杉力修准教授:
高田屋嘉兵衛さんは、蝦夷地へ行くのに竹島の脇を通っていった。異国に行けない時代だから、日本領だと読み取れる

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2月19日、竹島の歴史に関する公開講座で講師を務める島根大学法文学部の舩杉力修准教授(51)。歴史地理学を専門とし、「竹島の日」が定められた17年前から、竹島を地理学の観点から研究している。

現在その中心におくのが、近代以前に作られた古い地図・古地図。

島根大学・舩杉力修准教授:
この絵図は竹島が我が国固有の領土であると、改めて公的地図という観点で非常に重要であるとわかった

舩杉力修准教授よると、今は利用されていない海図や航空図、古地図と呼ばれるもの。
例えば、これは今から約200年前の19世紀江戸時代後期に、江戸幕府の長崎奉行が当時長崎周辺で横行していた密貿易を取り締まるため作ったもの。

この「松嶋」と書かれている部分が現在の竹島を示し、当時の幕府は竹島を日本領であると、はっきり認識していたと裏付けられる資料になる。

また古地図以外にも…

島根大学・舩杉力修准教授:
これが竹島で、鬱陵島がここ。ここに国境線が書いてあって、JAPAN、KOREAと書いてあるでしょ

これは、アメリカ空軍が1975年に作成した航空図。舩杉准教授がおととし見つけ、海外から購入したもの。アメリカ軍は47年前、国境線の日本側に竹島をおき、日本の領土と認識していたことになる。

古地図から見える日本領土の歴史

これらの古い地図、実は…

島根大学・舩杉力修准教授:
国際法上は、あまり証拠価値はないんですが

ではなぜ集め続けるのか?

島根大学・舩杉力修准教授:
韓国の鬱陵島にある独島博物館に行ったときにわかったことだったのだが、展示品のほとんどが日本の地図だったんです。地図をしっかり分析することが、韓国に対する反論になると思う

これまで集めた竹島に関する地図は100種類以上。それらを精査し、この4年間で韓国の主張に反論できる約10点を発表した。
国際法上、竹島が日本領であることは間違いないとしながらも、舩杉准教授は、韓国が進める古地図を使った歴史上の領有権に関する主張にも真っ向から反論できると確信している。

島根大学・舩杉力修准教授:
これをより広くの人に見ていただいて、何が事実なのかを知ってもらうということが、問題解決の糸口になると思う

4年間で100種類集めた古地図で、竹島の領有権確立へ一石を投じるために、まずは調査を終え、すべての古地図を公開できる場を模索している。

(TSKさんいん中央テレビ)

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