米・製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスの飲み薬について、厚労省の専門部会は、10日夜、国内での製造販売を特例承認することを了承した。厚労省は、さきほど特例承認し、後藤大臣が記者会見で表明した。
特例承認された「パキロビットパック」は、新しい抗ウイルス薬「ニルマトレルビル」2錠、抗エイズウイルス薬「リトナビル」1錠の合わせて3錠を、1日2回、5日間服用する。
対象は12歳以上の重症化リスクがある軽症と中等症の患者で、高血圧や不整脈などの薬とは
併用できない。これまでの治験では、発症から5日以内に投与を始めた場合、入院や死亡のリスクが88%低減されたという。オミクロン株への有効性も期待され、すでにアメリや韓国では承認されている。

岸田首相は、2月中に実用化する方針を明らかにしていて、政府はファイザーと200万人分の供給について最終合意している。後藤大臣は、10日夜、記者会見を行い、すでに4万人分が先行して輸入されていて、「早ければ週明け14日から医療現場にお届けを開始します」と述べた。
その上で、27日までに、全国およそ2000の医療機関で院内処方を始めるという。さらに、ファイザーから、2月下旬にも追加で納入される見通し。
新型コロナの飲み薬として特例承認されたのは、米メルク製の「モルヌピラビル」に次いで2例目。塩野義製薬も、開発中の飲み薬について、来週から再来週にかけて、承認申請する可能性があることを明らかにしている。