磐梯山の火口壁に囲まれた銅沼に、黄色に染まった珍しい滝があるという。
冬にしか見られない自然が作る造形美、幻の「イエローフォール」を見に、スノートレッキングで厳寒の冬山に向かった。
その年によって形が異なるという「イエローフォール」。
黄色に染まる訳とは…

冬にしか見られない黄色に染まった珍しい滝「イエローフォール」がある銅沼
冬にしか見られない黄色に染まった珍しい滝「イエローフォール」がある銅沼
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福島テレビ・幡谷明里アナウンサー:
ゲレンデがまぶしいです。きょうは珍しい滝を探しにいってきます

福島・北塩原村の「裏磐梯スキー場」に到着した福島テレビ・幡谷明里アナウンサー
福島・北塩原村の「裏磐梯スキー場」に到着した福島テレビ・幡谷明里アナウンサー

裏磐梯もくもく自然塾登録ガイド・桑原信さん:
冬しか見られない絶景を見に行きましょう。レッツゴー!

「幻の滝」が出現しているという、福島・北塩原村の「裏磐梯スキー場」。
冬山は危険がともなうため、今回は裏磐梯もくもく自然塾のガイドの桑原信さんと、パトロール隊長の三浦さんが同行してくれた。目的地までは、約50分。

安全にスノートレッキングを楽しむため、必ず入山者カードを提出してから向かう。

裏磐梯もくもく自然塾登録ガイド・桑原信さん:
スノーシューは今まで履いたことありますか?

福島テレビ・幡谷明里アナウンサー:
かんじきは、小さいころ履いていました

スノーシューを履き、雪の上を歩く福島テレビ・幡谷明里アナウンサー(右)
スノーシューを履き、雪の上を歩く福島テレビ・幡谷明里アナウンサー(右)

雪深い福島・天栄村育ちの幡谷アナ。
経験を活かしてスノーシューを履き、1.5メートルから2メートルも積もった雪の上を進んでいく。

福島テレビ・幡谷明里アナウンサー:
ふわふわしていますね。雪の上を歩く感触がすごく楽しいです

裏磐梯もくもく自然塾登録ガイド・桑原信さん:
降ったばかりのときは気持ち良いと思います

福島テレビ・幡谷明里アナウンサー:
本当に、一歩一歩気持ち良いですね

森を抜けると、磐梯山の火口壁に囲まれた銅沼に到着。

裏磐梯もくもく自然塾登録ガイド・桑原信さん:
いま、銅沼は全面結氷しているので、この上を渡ってショートカットして向かっていきたいと思います。ちょうど正面に湯気がのぼっていますね、あれがまさに活火山の証明。あそこから噴火の名残りの噴気が上がっています

銅沼を過ぎた所で、ふかふかの雪のじゅうたんで休憩。

しかし、このあと山の天気は急変。
吹雪で登る足取りも遅くなる。

一歩一歩、歩みを進める。

福島テレビ・幡谷明里アナウンサー:
おー!すごい!これが噂の珍しい滝ですか?

裏磐梯もくもく自然塾登録ガイド・桑原信さん:
黄色に色がついています。イエローフォール

火山性物質を含んだ水が湧き出て、酸化鉄・鉄分・硫黄分が多く含まれている「イエローフォール」
火山性物質を含んだ水が湧き出て、酸化鉄・鉄分・硫黄分が多く含まれている「イエローフォール」

福島テレビ・幡谷明里アナウンサー:
これが自然が作る造形美!

ついに、この時期しか見られない幻の「イエローフォール」に到着。

裏磐梯もくもく自然塾登録ガイド・桑原信さん:
下3分の1は、この雪で隠れているところがありますけど。上を見ていただくと沢地形になっているので、周りからの水が岩に染み込んだのが、岩の割れ目から染み出ているんです。染み出ている水が凍って、どんどん上から上から凍って大きくなっているんです

黄色に染まる訳は…

裏磐梯もくもく自然塾登録ガイド・桑原信さん:
噴火口がグル~って回っている訳で。周りで降った雨とかも含まれて、火山性物質を含んだ水がここから湧き出て、酸化鉄、鉄分、硫黄分、これらが多く含まれている。それでこの色になっている

「イエローフォール」は、その年によって形が異なるという。

2018年に撮影された「イエローフォール」
2018年に撮影された「イエローフォール」

訪れた人は、「地図とコンパス頼りに、必死になって来ました。やっぱりすごいね。こんな色は初めてなので、きれいです」と話す。

さらに氷の層が増し、高さ10メートルほどにまでなるという「イエローフォール」は、2月中旬に大きさのピークを迎え、2月末までは楽しめるという。

(福島テレビ)

福島テレビ
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