2024年のパリオリンピックへの期待がかかるスイマー。インターハイで2冠に輝いた長野・飯田市の山岸琴美選手。この春、多くのメダリストを育てた、あの平井伯昌監督が率いる東洋大学に進む。

インターハイ2冠 山岸琴美選手が東洋大学へ

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飯田市のスイミングクラブに期待のスイマーがいる。力強いストロークでぐんぐんスピードを上げる山岸琴美選手(18)だ。

この春、東京オリンピックで競泳の代表監督も務めた平井伯昌監督が指導する東洋大学へ進む。

山岸琴美選手:
(東洋大の)練習に参加させてもらって、練習環境もすごく良かったし、自分に雰囲気もすごく合ってると感じた。五輪に出ている方がたくさんいるので、そういう人たちと一緒にやりたいと思った

平井監督といえば、北島康介さんや萩野公介さん、大橋悠依選手などを育てた名コーチだ。

山岸琴美選手:
(平井監督に)自分の強みや弱い部分を教えてもらったし、憧れですごい遠い存在だったけど、話してみるとフレンドリーですごい方だなと思う

飯田市の18歳に飛躍のチャンスが巡ってきた。

3歳から泳ぎ始めて…

山岸選手は3きょうだいの末っ子。兄たちに倣い、3歳から泳ぎ始めた。

周囲が注目し始めたのは、ジュニアオリンピックに出場した小学校高学年の頃から。

中学2年の全国大会で5位入賞を果たすと、高校1年の国体で優勝。同世代のトップに立つ。
2021年4月、オリンピックの代表選考を兼ねた日本選手権の200メートルバタフライでは7位入賞を果たした。

山岸琴美選手:
最初は楽しいだけだったけど、年を重ねるごとに苦しいことも増えてきて。でもその分、結果が出るときは昔よりも大きい喜びが感じられるかな。スランプとかを乗り越えて結果を出せたときがすごく楽しい

2021年8月、長野市で行われたインターハイでは、100メートルと200メートルを制し、競泳で県勢初の2冠を達成した。

山岸琴美選手:
プレッシャーとかもあったけど、それまでの練習過程、積み重ねや気持ちの持っていき方がよくて、ああいう結果が出てうれしい

水の中で伸びる大きな泳ぎ

自身の「強み」を聞いてみると…

山岸琴美選手:
人より大きい泳ぎができることと、一般的にバタフライの泳ぎは水面を水切りみたいにポンポンって水面に沿って(泳ぐのが)多いかなと思うけど、私は水中進行、潜る泳ぎが得意。(他の人より)進む距離は大きいと思う。ポンポン行くより、1回1回うねるので

クラブのコーチは、「水のつかまえ方」が群を抜いていると指摘する。

ISC飯田スイミングクラブ・野竹和宏コーチ:
なかなか人が真似できないようなキャッチ動作をしています。胸の胸郭の使い方や肩甲骨の可動域が大きくて、うまいキャッチをしている。水中での進行がものすごく強い、水の中でぐんと伸びるバタフライができる

春からは寮生活。初めて親元を離れて暮らす。

ずっと見守ってきた母親は…

パリ五輪に期待

母・貴子さん:
心配な部分もあるけど、娘自身が楽しみにしているので、こちら(飯田)から応援する気持ちでいる。2年後の五輪選考会で選ばれて、パリ五輪に出られたらいいな

山岸選手は、すでに後輩たちの憧れだ。

後輩(高1):
五輪に出て日本を代表する、もっとすごい選手になってほしい

後輩(高2):
長野県だけじゃなくて、全国の人から尊敬される先輩になってほしい

一方、山岸選手の憧れは…

山岸琴美選手:
大橋悠依選手。五輪の前までは調子が良くなかった。でも五輪に合わせていく力がすごいなと思ったし、2冠をした後の謙虚な姿が他の選手と違うなと思い憧れた

飯田から世界へ…
2年後に控えたオリンピックを見据えつつ、新たな環境で泳ぎに磨きをかける。

山岸琴美選手
山岸琴美選手

山岸琴美選手:
五輪に出て結果を残したいのが最終目標だけど、そこばっかりを見ると気持ちが続かないと思うので、一歩一歩、自分の前の課題をクリアしていって、世界大会をどんどん経験していって、五輪に出て結果を残せるように頑張りたい

(長野放送)

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