茨城から移住した夫婦 前職の経験生かして

味で心も温められたら…。茨城県から移住した家族が、新潟市で始めた“小さな総菜店”を取材した。

住宅街にプレハブ小屋
住宅街にプレハブ小屋
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新潟市西蒲区大原。住宅街の中にぽつんとプレハブ小屋が建っている。

総菜店「あり潟家」の大内憲子さん
総菜店「あり潟家」の大内憲子さん

ここは、大内寿明さん・憲子さん夫婦が半年ほど前に開いた小さな総菜店「あり潟家」。看板商品はというと…。

店の看板メニュー 軟骨まで箸で切れるほど柔らかい
店の看板メニュー 軟骨まで箸で切れるほど柔らかい

大内憲子さん:
越後もち豚を使った豚バラ軟骨煮。軟骨までお箸で切れるほどトロトロ

総菜店「あり潟家」の大内寿明さん
総菜店「あり潟家」の大内寿明さん

「そうだっぺな~」「ここにあっぺよ!」と、なにやら言葉に特徴がある大内さん。

大内寿明さん:
茨城から来たので

大内さんは茨城の病院で25年間、栄養バランスを考えた病院食を作っていたが、2020年に新潟市に移住。

大内寿明さん:
塩分を控えながら、おいしい食を提供したい

新型コロナウイルスの収束が見通せない中でも「料理の経験を生かせれば」と、テイクアウトできる総菜店をオープンさせたのだ。

愛情込めて仕込み、約3時間かけて作る豚バラ軟骨煮

店の看板商品、豚バラ軟骨煮の仕込みは午前7時から始まる。圧力釜でスジがやわらかくなるまで煮込んだあと、蒸すことが重要なのだとか。

豚バラ軟骨煮の仕込みは午前7時から
豚バラ軟骨煮の仕込みは午前7時から

大内寿明さん:
蒸して余分な脂を極力落とす

蒸し上がったら最後に味付け。

大内寿明さん:
出来上がるまでに約3時間。愛おしい。お客さんにおいしく食べてもらわないと

豚バラ軟骨煮が完成
豚バラ軟骨煮が完成

長男の夢を叶えるため移住決意「親として当然」

そんな大内さんの長男・渡瑠さん(20)。

大内さんの長男・渡瑠さん(左)
大内さんの長男・渡瑠さん(左)

大内さん家族が新潟への移住を決めた理由、それは渡瑠さんの夢にあった。

大内寿明さん:
息子は弥彦競輪場で選手を育成する団体に所属していて、プロを目指して練習している

 
 

大内さんの長男・渡瑠さん:
スポーツで頑張ってみたいなと思って

競輪選手を目指す渡瑠さんは、日本競輪選手養成所に入る試験を受けるため、練習環境が整った弥彦競輪場でトレーニングを積んでいる。

大内寿明さん:
子どもが夢を追っているので、それをバックアップするというのは親として当然。やっぱり子ども優先になる

 
 

大内さんの長男・渡瑠さん:
必ず選手養成所の入所試験に合格して、恩返しをしたい

新潟の人は温かい…お客さんに栄養のアドバイスも

長男の夢をバックアップするため、家族で新潟市に移住。知り合いが少ない土地での商売だが、地域に暮らす人の優しさを感じることがあるという。

近所の人からもらった野菜
近所の人からもらった野菜

大内憲子さん:
親戚がいないと言えば、「じゃあ、私が親戚になってあげるよ」と通ってくれる方もいる

大内寿明さん:
(近所の人から)八百屋さんができるほど野菜をいただく。新潟の人は温かい

お客さんが来店すると、さっそく店の自慢・豚バラ軟骨煮の注文が入った。

お客さんへアドバイス
お客さんへアドバイス

お客さん:
軟骨の部分がプルンプルンでやわらかい。今4パック買ったんですけど、その日のうちになくなっちゃうくらい

商品を渡す際には、病院で食事を作っていた大内さんが栄養のアドバイスをすることも。

大内寿明さん:
寒くなってきたから、豚バラにショウガをかけると体も温まる

できたてのお総菜を
できたてのお総菜を

そんなお客さんとの会話も大切にする店にはショーケースがない。ここにも大内さんのこだわりがあった。

大内寿明さん:
温かいもの、出来たてを持っていってもらったほうがいいかなと

休日は家族でアレンジメニュー考案 長男の練習支える

店の定休日も自宅のキッチンに立つ大内さん。

豚バラ軟骨煮を小さく切って、ごはんと炒めてチャーハンに。カレーをかければ、豚バラ軟骨カレーの出来上がり。

チャーハンやカレーにもよく合う
チャーハンやカレーにもよく合う

大内寿明さん:
お客さんに豚バラ軟骨煮のアレンジ料理を楽しんでほしい

大内さんの次男・駿瑠くん(左)
大内さんの次男・駿瑠くん(左)

こうして休日も家族と商品開発を行っている。

豚バラ軟骨で栄養を取り込んだ長男の渡瑠さん。まずは10月に予定される日本競輪選手養成所の一次試験突破が目標だ。

 
 

大内寿明さん:
私は息子の夢を補助するだけ。「豚バラ軟骨でプロのアスリートになりました」と宣伝にもなるし(笑)

お世話になった人に恩返しを 夢が隠し味の店に広がる笑顔

この日は家族でお出かけ。行き先は彌彦神社だが、大内さんはその前にひと仕事。

周囲に店が少ない総菜店、半年ほどの営業ではまだまだ訪れるお客さんも限られるため、彌彦神社の近くにある酒店に協力してもらい、冷凍の豚バラ軟骨煮を数量限定で販売している。

酒店で豚バラ軟骨煮を販売
酒店で豚バラ軟骨煮を販売

大内寿明さん:
知り合いもいない中で、こうやって優しくしていただいて本当に感謝

地域の優しさに包まれ追いかける家族の夢は、心を込めた味で恩返し。

“夢”を隠し味に…
“夢”を隠し味に…

大内寿明さん:
引っ越してきてお世話になった人に恩返しも含めて、愛情込めて作りたい

夢が隠し味の小さな総菜店。おいしいレシピに笑顔が広がっていく。

(NST新潟総合テレビ)