鳥取市の高校で、生徒たちがユニークなパンの新商品を開発している。発酵に使われるのは、鳥取産の苺から抽出した酵母。

以前お伝えした「ローカル酵母」に関する記事はこちら。
オリーブのパン、桜のビールも…地域ゆかりの植物から抽出した「ローカル酵母」で新商品 鳥取大学と企業がタッグ

鳥取だからこそ誕生した新商品を取材。

授業の一環で大学と協力して新商品開発

鳥取市の鳥取湖陵高校。生徒たちが手際よく巻いていくのはパンの生地。そして、生地をオーブンに入れる。焼きあがったパンにクリームを入れ、出来上がったのがコロネパン。

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食品システム科の3年生の4人が地元の果物を使った新商品を、と授業の一環として開発に取り組んだ。

地域の人たちにもっと学校のことを知ってもらおうと、校内の農場で栽培した県のオリジナル品種のイチゴ「とっておき」から取った酵母を使った。

参加した生徒:
何回やっても(パンの発酵に使える酵母が)とれなくて、4回くらい抽出してやっととれたので、すごく大変でした

本田航太記者:
こちらのパンに使われている地域ゆかりの植物の酵母。研究するのは鳥大の教授です

訪ねたのは、鳥取大学のキャンパス。鳥取大学で微生物について研究している児玉基一郎教授。
8年ほど前から、地域ゆかりの植物から抽出した酵母「ローカル酵母」を研究。さらに、その酵母を使って、その土地ならではの新しい「ご当地商品」の開発にも携わっている。

鳥取大学・児玉基一郎教授:
地域にひっそりと、目には見えないけどすんでいる酵母。その酵母を利用して、地方ならではのユニークで魅力的な製品づくりをしたい

これまで手掛けた商品は、鳥取市内のパン屋さんの庭のオリーブから取った酵母を使ったパン、名所として知られる鹿野町の桜から抽出した酵母で作ったクラフトビールなど。ユニークかつ鳥取ならではの商品も開発した。

今回は高校から相談を受け、協力。

鳥取大学・児玉基一郎教授:
(イチゴのヘタに見立てた)飾りをつけて、パンの形を苺に見せるのが面白かった。大学の知識や技術を高校生に伝えて、大学の研究に興味をもってもらえれば、大学としても意義深いこと

「作る」だけでなく「食のシステム」も学ぶ

鳥取で見つけた酵母から生まれた、鳥取ならではの新商品。

鳥取湖陵高校・脇清貴先生:
今回のプロジェクトではまずイチゴを栽培する。そこからとった酵母で加工品としてパンを作る。それを販売する。食のシステムを全て学ぶことができる課題研究となったのでは

参加した生徒:
実習中にパンをたくさんの方に配ったら、良い感想をいただけて嬉しかった

参加した生徒:
自分達でイチから作ったものなので、商品という形にできて嬉しかった

生徒たちが開発した湖陵高校オリジナルのパンは、4月以降、鳥取市内の道の駅などで販売される予定。

大学と高校との連携で新たな価値を創造。「ローカル酵母」の可能性が広がる。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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