プチプチとはじける食感が魅力のサケやマスの魚卵“いくら”。海鮮丼やちらし寿司などで彩りを添えるのにも一役買ってくれる。そんないくらに“魚卵ではないいくら”が誕生した。

それがカネテツデリカフーズ株式会社が2月25日に発売する「ほぼいくら」だ。

ほぼいくら(提供:カネテツデリカフーズ株式会社)
ほぼいくら(提供:カネテツデリカフーズ株式会社)
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本物のいくらしょうゆ漬けのようなプチプチとした食感と彩り、味わいをカネテツが独自配合で再現した。

同社は、魚介類を他の食材で再現した“ほぼシリーズ”を展開しており、編集部では過去に「ほぼうなぎ」を紹介している。

(参考記事:見た目そっくり!魚のすり身の「ほぼうなぎ」はどれだけ似てるか食べてみた

今回の“ほぼいくら”は本物と比べてコレステロールが低く、また、魚卵成分を含まないため魚卵アレルギーの人でも食べることができるという。

1袋の内容量は50gで、価格は480円(税込み)。カネテツ公式オンラインストアでは1月20日から予約販売をしていたが、開始9時間で売り切れとなった。すでに販売店への問い合わせがあるなど、大きな反響となっているという。

発売前に本物の“いくら”と食べ比べてみた

ここで気になるのは、やはりどこまで再現しているのかということだろう。発売前の商品を送ってもらい、本物のいくらと食べ比べてみた。

「※魚卵ではありません」と書かれている袋を開けると、ふわっと少し酢のようなにおいが広がる。本物のいくらのような海鮮のにおいはあまり感じられなかった。

そして粒は1つずつが大きく、オレンジ色の粒の中には赤色の部分もしっかり確認できた。見た目はまさしく“いくら”で、本物と並べてみてもほとんど違いが分からないほど。どちらかというと、鮮やかな色合いから「ほぼいくら」の方が新鮮そうに見えてくる。

左:ほぼいくら 右:本物のいくら
左:ほぼいくら 右:本物のいくら

そして口に入れてかむと、プチッとした後に中身が弾け、口いっぱいに味が広がった。1つずつの弾力は本物よりも強く、かみ応えがあり、食べている満足感があった。

味はというと、口の中で感じたのは少しあまじょっぱい“塩鮭”のような風味だ。ご飯がパクパクといけそうな味付けだった。

ほぼいくら
ほぼいくら

食べ比べてみて、「ほぼいくら」が一番いくらっぽいと思ったのは食感だった。プチッとした食感が好きな人はいいかもしれない。

プチっ、とろりという食感だけでなく風味も再現

では、この「ほぼいくら」だが、魚卵ではないということは一体何でできているものなのだろうか? 再現するのに特にこだわった部分はどこなのだろうか?

カネテツデリカフーズ株式会社・広報担当の荒井紅美さんに教えてもらった。

ーー魚卵ではない「いくら」を作ろうと思った経緯を教えて。

「ほぼシリーズ」は生活の中でのひとときの楽しさと食の課題を少しでもよい方向に解決できればという想いで開発を進めています。その中でサケが地球温暖化の影響によって記録的不漁となり、結果いくらの価格も高騰していることが分かりました。さらに、魚卵アレルギーをお持ちのお子様が多いということで、「ほぼシリーズ」がいくらの代替品としてお役に立てればと思い、開発に至りました。

いくらは彩りや華やかさ、豪華さで寿司具材としても重宝される食材ですので、ちらし寿司の食卓出現が高まる「ひなまつり」にあわせて発売することとなりました。


ーーどのような材料で作っているの?

海藻由来の原料で作っており、その原料とカルシウムが反応してできる膜を利用した粒状のものをしょうゆ漬けにしています。

(提供:カネテツデリカフーズ株式会社)
(提供:カネテツデリカフーズ株式会社)

ーー再現するのに苦労した点を教えて。

プチっとした食感と中から出てくる液体のとろりとした粘度の再現に苦労しました。


ーーでは、こだわった部分はどこ?

いくらの風味です。風味を抑えて食べやすくすることもできますが、鮭のエキスやサーモンオイルを使用するなどし、あくまで本物のいくらを目指しました。

想像以上の反響に驚きと喜び

ーー本物の魚卵ではない「ほぼいくら」だからこその良い点は何?

魚卵アレルゲンフリーですので、魚卵アレルギーをお持ちの方や、そのご家族など一緒に食卓を囲む方と同じものを楽しんで頂けるというところです。また、食中毒などの心配から生ものを控えている妊婦さんにもおすすめです。


ーー料理などに使う際に注意することはある?

特にございません。本物のいくらと同じように使用いただけます。


ーーオンラインでは9時間での売り切れとのことだが、その反響に対してはどう思う?

想像以上の反響に驚きつつ大変嬉しく思っています。SNSでも「アレルギーがあるから食べるのを我慢していた」「子供に食べさせたい」といったコメントを拝見し、私たちが目指していたところに届いたような気がしました。商品がお客様の手元に届くのはもう少し先ですので、召し上がった方の反応やご意見をしっかり受け止め、今後も「ほぼシリーズ」によってお客様の生活が少しでも豊かになるよう、取り組んでいきたいと思います。

ほぼいくら・ほぼカニちらしを使用したちらし寿司(提供:カネテツデリカフーズ株式会社)
ほぼいくら・ほぼカニちらしを使用したちらし寿司(提供:カネテツデリカフーズ株式会社)

なお「ほぼいくら」は、2月25日~3月3日までの期間限定で全国のスーパーマーケット(※北海道、沖縄、一部離島は取り扱いなし)で購入できる。また、すでに想像以上の反響があることから、「(この期間後の販売については)お客様のお声によっては検討したいと考えております」と話している。

“ほぼ”ということで、いくらと全く同じとまではいかなかったが、再現への熱意を感じた。また同社では、いくらだけでなく「ほぼカニ」「ほぼホタテ」などもあるので、これらを使ってちらし寿司などを作るのも楽しそうだ。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。