祭りの屋台などで見かけるリンゴあめ。パリパリしたあめと爽やかなリンゴの相性が抜群。りんごと蜂蜜の組み合わせもよく目にする。では、りんごと七味の組み合わせはどうだろうか?

りんご農家と七味唐辛子の老舗メーカー「八幡屋礒五郎」がコラボして、りんごにふりかける“シナモン七味”を開発したという。名前はそのまま「りんごにかけるスパイス」だ。

りんごにかける七味
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これはシナモンをベースにレモン、陳皮、万願寺唐辛子、生姜、柚子、山椒、島こしょう、クローブの9種類を調合したスパイスで、りんごを使ったデザートなどに調理の途中や最後にひと振りするだけで、りんごの香りや風味を引き立たせてくれるのだという。

もちろん生のりんごにそのままかけても大丈夫。フランス在住のレストランオーナーシェフ神谷隆幸さんが味を監修しており、「いつも食べていたりんごの新しい魅力に気づけると思います」と話している。

9種類を調合したスパイス

1月5日~2月20日までクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約を開始しており、現在、12g入ったスパイス1本を2480円(税込み)で応援購入できる。※「早割」プランもあり

果物離れと規格外のりんご増加問題をどうにかしたい

ひと振りでワンランク上の風味になるという「りんごにかけるスパイス」。なぜりんごに“七味”という考えを思いついたのだろうか?

開発者であるフルプロ農園の代表・徳永虎千代さんに話を聞いた。

ーー「りんごにかけるスパイス」の誕生の経緯を教えて。

経緯は農業全体の課題背景があります。1つは、若者の果物離れに対して、調理の補完(スパイス)をする流れを作って行きたいと思ったからです。

2つ目は、近年地球温暖化の影響によって極端な天候が多くなり、露地農業であるりんごが育ちにくくなっているからです。今年度も冬が暖かく、早くにりんごが開花してしまい、春先の霜の影響によって約40%減収となりました。さらに2重苦で霜の影響、極端な降雨によって、りんごの肌が荒れてしまい、規格外のりんごの比率が多くなり品質の影響も大きかったのです。これだとりんご農家としては生計が立ちません。

そこで、見た目が悪い規格外のりんごを直接買ってもらって、調理してもらえるような商品がこの世に必要だと考えていました。また、加工品などで収益をあげることも農業経営としては必要になります 。

フルプロ農園の代表・徳永虎千代さん

ーー“七味”というアイデアはどのように思いついたの?

アイデアのきっかけは、取引先との談笑の中で生まれた「りんごに何かパウダーをかけて美味しくなったらみんな食べてくれるんじゃないか!?」というフラッシュアイデアでした。

このアイデアが出てからすぐに、連想ゲーム的な形で長野でかけるものと言えば八幡屋礒五郎の七味と思い付き、すぐに繋がりを辿って連絡しました。


ーー「りんごにかけるスパイス」単品での味はどういったもの?

まず感じるのがシナモンの香りの中にレモンの酸味が香ります。実際に食味するとシナモンの甘みをメインに感じますが、9種類のスパイスを使っているのでシナモンだけではない、さまざまな味がします。レモンの酸味や山椒と島こしょうの辛味なども感じられる七味です。

シナモンの甘みメインでさまざまな味がするという

ーー「りんごにかけるスパイス」をかけることでのりんごの味はどう変化するの?

監修していただいた神谷シェフが「りんごの甘みが引き立つように配合を考えた」と言っている通り、元々甘いりんごの甘みが引き立ちます。さらに、シナモンがアップルパイを想像させて、ひと振りでアップルパイを食べているような味にもなります。


ーーりんご​以外に使うのは難しい調味料なの?

りんご専用とうたっていますが、実はスイーツ全般やお料理などにも合います。神谷シェフもそのように言っています。今後、旬な果物が出てきたらそちらにも試してみたいです。

使えるのはりんごだけではない

料理が得意でない人でも簡単!オススメの使い方

ーー開発・製造にあたり苦労した点はある?

フランスの神谷シェフに送って味を見てもらうことをしたので、まずフランスへ検疫などの問題で届くのか不安でしたが、数往復して納得する味に辿りつきました。おそらく日本初めての果物にかけるスパイスを受け入れて協力してくれた、八幡屋礒五郎さんと神谷シェフにとても感謝しています。

そのままのりんごにかけてもOK

ーー現在どういった反響があるの?

20~50代の女性が中心に購入しており、調理する時に使うなどと予想されています。
コメントとしては「アップルパイなどお菓子に使ってみたい」「ホットドリンクにも使えそう」などが多くあがっています。他にも「面白い発想だ」という驚きや、「自然災害があったがそれに対する応援をこんな形でできて嬉しい」など、嬉しいお声をいただいています。


ーーそういった反響に対してはどう思う?

背景のりんごをさまざまな形で食べていただくという流れが、小さいながら生まれたことがとても嬉しいです。実際に商品をお届けして、そこから調理してシェアするという流れができたら、さらに大きい広がりになっていくと思います。また、自然災害などがこれからも続くので、今後もこういった形で新たな取り組みをしていく必要も感じています。

りんご農家と七味唐辛子の老舗メーカー「八幡屋礒五郎」コラボし、フランスの神谷シェフ監修

ーー「りんごにかけるスパイス」のオススメの使い方を教えて。

料理の得意でない私でも簡単に試せる3つがあります。これらは簡単なのにとても美味しく、ちょっと上品なスイーツになります!

(1)焼きりんご:りんごを切ってバターと砂糖などで炒めて最後にスパイスをかけるだけ。

焼きりんご

(2)ホットドリンク:チャイティー、ホットサングリア、ホットりんごジュース、カフェオレ、コーヒーなど、ホットドリンクにかける。

ホットりんごジュース

(3)りんごトースト:食パンにバターと砂糖を塗って、りんごを薄くスライスして置きトーストする。焼き上がった所にスパイスをかける。

りんごバタートースト

「りんごにかけるスパイス」は、3月頃からネット販売を予定しており、店頭などの販売も検討しているという。