新学期や新年度を機に、スマートフォンを子どもに持たせたいと考えている方も多いと思うが、気をつけたいのがその使い方だ。犯罪やトラブルに巻き込まれないために必要なこととは。
中学生、小学生にも広がる「スマホ」
(Q.子どもにスマホは持たせている?)
保護者:
上の子2人(小5、小6)に持たせています。仕事でいないことが多いので、連絡が取れるように
保護者:
キッズケータイ(子ども用携帯)からスマホに切り替えるか悩んでいます。社会を知らない子どもとなると、いろんなことができるので怖いです
いまや、生活に欠かせないツールとなったスマホ。小学生が半分近く、中学生では6割あまりが利用しているが、便利な一方で事件に巻き込まれるケースも起きている。
子どもが犯罪にあうケースも…
北海道警少年課 成田 剛さん:
裸の写真を送らせてインターネットで販売するなど、小学生も被害にあっています
実際、子どもがSNSを通じて犯罪につながりかねない体験をすることは身近になっている。
(Q.知らない人からフォローは?)
高校1年:
あります。「話しましょう」みたいな
高校2年:
面識ない人から「仲良くしましょう」とか。話すためにアカウント作ってという話を(知人から)聞いています
便利な半面、危険も伴うスマホ。北海道内では2020年、性犯罪の被害に巻き込まれた子どもは150人に上り、このうち6割以上がSNSがきっかけだったという。
北海道警少年課 成田 剛さん:
犯人が同年代を装って子どもに近づいて、脅したりだましたりして裸の写真を送らせて、その写真をインターネットで販売した事案や、他人になりすました成人男性からわいせつな行為をされる事案などが発生しています
では気をつけるべきポイントは何なのだろうか?インターネットに詳しい専門家は、情報の扱いにもっと敏感になる必要があると訴える。
巻き込まれないために必要なこと…「子どもの意識」も重要
ネットリテラシー専門家 小木曽 健さん:
家の玄関に貼れないものはネットで扱わない、送らない、貼らない。これがずっと使える身の守り方。子どもがネットを使うのは、どんな約束事をしていようが、1人で繁華街に出ているのと一緒。子ども本人が"防波堤"になるように知識を伝えるべきです
送信する前に、写真やメッセージが不特定多数の人に見られてもいいものかを、子ども自身が意識できるようにすることが大切だ。
そして、保護者には「普段の声掛け」も意識してほしいと呼びかける。
親に求められることは…
ネットリテラシー専門家 小木曽 健さん:
親はニュースで目にしたら、「本人も悪い」とは絶対言っちゃダメ。「何かあったら、父ちゃん母ちゃんが守るから言うんだよ」「ネットに詳しくないかもしれないけど、あなたを守る方法は知っている」「誰に相談すればいいかわかる」ってことをニュースを見るたびに言ってほしいです
家族の中で相談しやすい環境づくりが、被害を最小限に食い止める手立てのひとつとなりそうだ。
「高額請求」のトラブルも…家族のルール作りもポイントに
子どものスマホトラブル。最近では「高額請求トラブル」が起きている。
例えばゲームで有料のアイテムを購入したり、動画の配信者にオンラインで送金をする、いわゆる「投げ銭」をしたり、アプリのインストール後、無料期間が過ぎても解約せず高額請求されるケースなどに注意が必要だ。
トラブルを防ぐためにはどうしたらよいのか。ネットリテラシー専門家の小木曽健さんは以下の具体策を挙げる。
■親のスマホを使わせる場合
・何を買うにもパスワードが常に必要にする
・パスワードは子供に知られないようにする
■子ども用スマホを買った場合
・クレジットカードの登録はしない
・キャリア決済の利用停止
・子ども用の IDを作り、親が利用状況を確認できる設定にする
すでにスマホを持たせている保護者を含め、子どもとの「ルール作り」や利用する際の意識の確認を一度しておきたい。
(北海道文化放送)