高知県と徳島県を結び、世界初の運行を開始。線路と道路の両方を走る旅客車両、DMVが2022年の四国東部を盛り上げる。

線路と道路両方の走行が可能なDMV

2021年12月25日、クリスマス。小さなサンタたちが心待ちにしていたのは、DMV「デュアル・モード・ビークル」。

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阿佐海岸鉄道・三浦茂貴社長:
出発進行!

道路はもちろん、線路も走れる“2刀流”の旅客車両で、本格的な運行は世界初。

総事業費は約16億円。徳島県や高知県などが出資する第3セクター、阿佐海岸鉄道が導入した。マイクロバスを改造した車両の座席は18席。現在、青、緑、赤の3台が運行している。

主な運行ルートは徳島・海陽町の「阿波海南文化村」と「道の駅宍喰温泉」の間。途中で高知・東洋町の甲浦駅と、海の駅を経由する。さらに土・日・祝日はそれぞれ1往復、高知・室戸市の「海の駅とろむ」までを走行する。

阿佐海岸鉄道・三浦茂貴社長:
世界初の営業運行をするまで、非常に長い10年という道のりがあったが、みなさんの思いがやっと届いた今日の日だった

阿佐海岸鉄道は1992年の開業以来、29年連続の赤字となり苦しい状況が続いている。

黒字転換へ期待を込めたDMVデビューの日。第一便は倍率4.7倍のプレミアムチケットとなり、手に入れた18人が「世界初」を体感。約40分の旅を楽しんだ。

中には北海道からの乗客も。

北海道から訪れた乗客:
初便に乗れてよかったと思った。普通の乗り物は道路や線路の上しか走れないのが、ちょっとしたモードチェンジで両方走れることが最大の魅力

そう、DMVの最大の魅力は車両が変身すること。列車モードでは線路をゴムタイヤと鉄車輪で走るため、車体の下に備わっている鉄車輪が降りてくる。その時間、わずか15秒。

高知県内で、唯一モードチェンジが行われる甲浦駅には、「変身」の瞬間を一目みようと、多くの鉄道ファンや地元の人が駆けつけた。

徳島の中学生:
バスモードから鉄道モードへの切り替えがかっこいい

香川の90歳:
列車とタイヤのついているものが、こんなになることは夢にも思っていなかった。見た感じでは長生きしてよかったなという感じ

観光資源として沿線住民たち期待

観光資源としても期待されるDMV。沿線地域では2億円以上の経済効果が見込まれている。
そのひとつ、東洋町の人口は2,200人あまりで、約30年前と比べ半減している。過疎化が進む中、若者もDMVの登場に期待を寄せている。

東洋町の高校生:
もっと活気のある町になってほしいし、町に仕事が少ないのが現状なので、(DMVの効果で)仕事が増えていく場所になってくれたら、僕たちもここにいやすいようになるので、とてもうれしい

甲浦駅の近くで町の特産品、ポンカンなどを販売する店の代表は…

フクチャンFARM・山下龍造代表:
DMVが来て、たくさんの観光客が来てくれることによって、事業の展開であったり、これからの東洋町をどうするかということを考えていけるような新しいことなので、すごい楽しみにしている

翌日、室戸市でも初走行。

阿佐海岸鉄道・三浦茂貴社長:
本当にみんな嬉しそうな満面の笑みで、自分も感無量。観光客に世界初を体感しに来ていただきたい。色んな形で地域住民の公共交通の足になっていくように

世界初の本格運行が始まったDMV。地域の未来を“モードチェンジ”すべく、きょうも小さな町を駆け抜ける。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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