野球部内での部員による暴力行為が発覚し夏の甲子園を途中辞退した広陵高校が、中井哲之監督を交代させると発表しました。

これまでの経緯について改めて整理します。

事の発端は今年1月、当時2年生の野球部員4人が部で禁止されているカップ麺を食べた1年生部員1人に対し、胸や頬を叩くなどの暴力行為を受けたことに始まります。

学校は内部調査を実施し、高野連へ報告。日本高野連は今年3月、広陵高校を「厳重注意」とし、加害生徒は公式戦出場停止処分を受けました。
この「厳重注意」は規定により原則、公表する義務はなく、学校・高野連共に公表はしませんでした。

一方で、被害生徒は3月に転校を余儀なくされます。

広陵高校は先月26日、夏の甲子園県予選で優勝し、甲子園出場を決めますが、同じころ、野球部の暴力問題に関する情報がSNSに投稿されると今月に入り、その情報が一気に拡散されます。

事態を重く見た日本高野連と広陵高校はそれぞれ事案について公表しますが、大会出場に変更はなく広陵は1回戦で勝利します。

一方、初戦突破後、学校は過去にも別の元部員から監督やコーチ、一部の部員から暴力被害を受けたという申告があったと公表。学校は事実関係を確認できなかったため、元部員や保護者の要望に応じ、第三者委員会を設置して調査を進めています。

しかし今月10日、広陵高校は、野球部寮の爆破予告や誹謗中傷などが後を絶たたない状況などを鑑みて、甲子園大会への辞退を表明します。

そして21日、監督と部長の交代を発表し、新たな体制で秋の大会に臨むとしました。

なお、中井前監督は学校の副校長・理事を務めていますが、広陵高校によりますとこの人事について変更はないとしています。

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。