1月6日に641人の新型コロナ感染が確認された東京都では、飲食店での人数制限を現在の1グループ8人から4人に見直すよう調整を進めていることが分かった。めざまし8では、今回の「まん延防止等重点措置」の内容について解説しました。

南アフリカ 60~80%の国民が感染を経験か

全国の感染者が約3カ月半ぶりに4000人を上回り、日本医師会の中川俊男会長からは「全国的に第6波に突入したと考えている」との発言も。

一方で海外では、南アフリカが一足早くオミクロン株の感染者数がピークを過ぎたとみられていますが、ピークアウトの海外にヒントはあるのでしょうか。南アフリカ医師会のアンジェリーク・クッツェー会長に話を聞きました。

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南アフリカ医師会 クッツェー会長:
ICUに入院している患者数を見ることです。特にデルタ株と比較した場合、オミクロン株での死亡率はとても低いです。

感染者減少を受けて、2021年12月には「夜間の外出禁止令」や「飲食店でのアルコール提供時間の制限」が解除され、規制は緩和の方向に。

南アフリカ医師会 クッツェー会長:
第4波の時は、病院には負担はかかっていませんでした。オミクロン株の時は11月に最初に検知されてから、1カ月ほどでピークを迎え下降に向かいました。重要なのは、マスク着用、ソーシャルディスタンス、十分な換気。そして、人混みを避けること、ワクチン接種を受けることです。

さらに、新規感染者が減少した南アフリカの保健当局は、「国民の60%から80%が新型コロナの感染をすでに経験しているとみられ、多くの国民が免疫を獲得している」との見解を示しています。オミクロン株の性質を踏まえ、日本ではどんな対策が求められるのでしょうか。

レベル2の状況でなぜ「まん延防止」を要請?

東京都は感染状況の警戒レベルを一段階引き上げ、2021年10月以来のレベルに。しかし、4段階中の下から2番目「感染拡大の兆候」です。医療提供体制の警戒レベルに関しては、1番下「平時の体制で対応可能」にあり、強化の検討に入っています。具体的には、飲食店での1グループ8人の人数制限の見直し、都立施設の入場制限のさらなる強化。

そして、いま感染が拡大している東京・沖縄・広島・山口の4都県の感染者数のグラフをみると、数字は違いますが形が似ているように見えます。

これまではステージ、新規感染者数であったり、病床使用率が指標になっていましたが、2021年11月に政府は違う指標を用いることを発表。完全に医療体制を指標としてレベル分類をしています。

現在、沖縄県・広島県・山口県はレベル2の段階。東京都に関してはレベル1。レベル3やレベル4になった時には、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言も視野に入っていきます。

では、政府はまだレベル3にいっていない状況で、「まん延防止」を適用しようとしているのでしょうか。政治ジャーナリストの田﨑史郎氏に伺いました。

接種証明と陰性証明の両方を確認…措置強化?

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏:
まん延等重点措置というのは、2021年2月に新型インフルエンザ等対策特別法が改正されて、新しく設けられた制度です。その法案が国会審議の過程で附帯決議というのがおかれまして、都道府県知事から要請があった場合、国は最大限尊重しなければいけない。もしそれをやらない場合は理由を開示しなさいという、非常に都道府県の意思が尊重されるシステムになっています。

それで、3県から要請があったので速やかに対応したということ。また、レベルは都道府県知事が判断していいということになっています。政府が決めている訳ではないのです。それぞれの都道府県で自分たちの県の医療提供体制、感染者数、入院している人数を見ながらレベルを決めます。それが東京の場合、まだレベル1の段階なので問題にはならないということです。

田﨑氏によると、まん延防止等措置をさらに強化する方向もあるといいます。

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏:
2021年11月に規制緩和しようとしました。実際そうなっているんですけれども、それを今度変えると。分科会で審議中で7日夜には発表になると思います。今までまん延防止等重点措置が適用されると何が起きるかというと、飲食店の営業時間の短縮、あるいはイベントの人数制限です。1点目の飲食店に対しては、1軒あたり最低2万5000円は出ます。午後9時までの時短営業を要請できて、いまはお酒の提供も可能。それをお酒の提供をしなくてもいいと、知事が決められるようにする。知事の選択肢を増やすということで。

2点目、イベントについては、ワクチン検査パッケージ、ワクチンの接種証明・陰性証明どちらかがあれば、収容定員いくらでも可能ということなんですが、それを知事の権限で外すことができると。そこで最も大事なのは、ワクチン検査パッケージで、今はワクチンの接種証明か検査して陰性証明のどちらかですが、それを両方にする。8割の方がワクチンを打たれていますから、とにかく検査して陰性証明がないと入れないように強化する。それはあくまで知事ができるようにすると。酒類の提供を受ける場合にも必要になります。

そして、急速に感染者数が増加している現在と今後の対策についても伺った。

急速に拡大する感染 “医療提供体制”の重要性

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏:
オミクロン株の特徴として、重症化しないように見えるのですが、感染者数は急ピッチで増えていきます。おそらく政府の読みでは、これまで見たことがない数値が出てくるだろうと。数万という感染者数が出てきて、医療体制がしっかりしていれば大丈夫ですが、それが早いので色々な手を尽くしましょうと。すでにワクチン接種の前倒し、PCR検査の無料化、医療提供体制の強化を行っていますが、加えて行動制限も課しましょうということです。我々も気をつけなければいけないのですが、感染者数で驚いている状況から、医療提供体制がどうなっているのか見なければいけない。

急速に広がり続けるオミクロン株。あらゆる手を尽くして感染抑止をする方策で進んでいきます。

(「めざまし8」 1月7日放送)