マシンガンで撃たれた感覚も再現

世界最大規模の最新技術の見本市「CES」がアメリカ・ラスベガスで開幕した。会場には最新の電気自動車や人工知能を搭載した家電製品などが並んでいる。

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キヤノンの現地法人は、コロナ禍でのビデオ会議の広がりを受け、画面越しでも情報を共有しやすくするカメラ技術を発表した。

1台のカメラで同時に3つの画角を表示でき、手を動かすだけでその場所をアップにすることもできる。

また、今回特に注目されたのが、インターネット上の仮想空間「メタバース」に関連した技術。

メタバースはCGの仮想空間で、自らの分身を通じて交流できる次世代のインターネットとして期待されている。

スペインの企業が発表したシャツは、中に組み込まれた装置によって、ゲームで撃たれた時の衝撃や仮想空間で触れたものなどを実際に感じられるようになっている。

体験した記者:
マシンガンで撃たれたときは胸にダダダッと衝撃が走ります。かなりリアルにゲームを味わえます。

シャツを開発したスペイン企業のCEO:
少し前までは、ゲームや映画を観て聴くだけでしたが、今は触れることができる。わたしたちは触覚を加えました。もしメタバースで触れることができるようになれば、全く新しい空間になるのです

大テーマに"サステイナビリティ"

Live News αのスタジオでは、IoT NEWS代表の小泉耕二さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
今年のCESはメタバース関連の出展に各社がチカラを入れているようですね?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
仮想空間上で様々な体験が出来るメタバースは、主に3つのキーワードで構成されています。
● VRヘッドセットのような「ハードウエア」
●「ソフトウエア」や「ゲーム」
●「NFT」や「仮想通貨」を支える「ブロックチェーン」技術
それぞれにおいて、市場の広がりが期待されています

三田友梨佳キャスター:
私たちのメタバース体験はどの分野から始まるのでしょうか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
既にネット上でアバター同士が楽しむようなオンラインゲームから始まっています。VRというとヘッドセットを思い浮かべますが、 今回SONYは、視線で操作できたり、リアルタイムな映像表現ができる「PlayStation VR2」を発表しています。この分野は他にも展示が多く、注目もされています。また、先程のVTRにもあった銃で撃たれた感覚を再現できる技術は、「触覚フィードバック」といわれるものです。SONYのヘッドセットにも「小型モーター」がつけられ、シーンと連動した振動により、 緊迫した場面での「震え」も再現できます

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
こうやって、視覚だけでなく、聴覚や触覚といった五感を騙す技術によって、没入感が高まり、 限りなくリアルな体験が実現されます。そう遠くない将来に映画マトリックスで描かれたような、「横になっているだけで仮想世界を生きる」という感覚が再現され、 ゲームセンターや家庭でも体験できる日が来ると思います

三田友梨佳キャスター:
メタバース以外で目についたテーマはありますか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
世界に広がるサステイナビリティの波をテクノロジー視点で捉えて、それをどう見るかが大きなテーマとなっています。例えば、サムスンは「Everyday sustainability」と言っていて、ソーラーパネルによる充電技術を使って、リモコンのような低消費電力のデバイスでは電池が必要ないようにしていくと発表しています。さらに、テレビやスマホの充電器の待機電力をゼロにする技術を開発して2025年までにすべての製品に搭載するとしています。2022年は、こうした流れが加速すると思われます

三田友梨佳キャスター:
より持続可能な暮らしの実現というのは今年もキーワードとなりそうですし、メタバースをめぐる最新の技術、開発競争は激しさを増しそうです

(「Live News α」1月6日放送分)