多額の保管費用や高い不良品率が問題視されている“アベノマスク”。岸田首相の廃棄発言を受け、問い合わせが殺到している。

配布しきれず倉庫に眠る大量のマスク

保管されている“アベノマスク”(東京近郊)
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東京近郊にある巨大な倉庫。

風巻隼郎記者:
こちらは見渡す限り、右も左も段ボールの壁が続いています。高さは5メートル近くはあるでしょうか。

高く積まれた段ボール

広さ約1600坪の倉庫に積まれた、約10万個の段ボール箱。

その中身は“アレ“だ。

段ボールに詰められた布製の白いマスク

風巻隼郎記者:
段ボールの中を見てみますと、布製の白いマスクが大量に入っています。配布された“アベノマスク”に似ています。

かかり続ける保管費用

2020年に安倍政権がすべての家庭に2枚ずつ配った布製マスク、いわゆる“アベノマスク”。

“アベノマスク”を着用した安倍元首相

風巻隼郎記者:
こちらの段ボールには「介護向け」に丸が付けられています。

この倉庫には、介護施設などに配布しきれずに大量に余った約8130万枚(※10月末時点の保管数)の在庫が眠っている。

風巻隼郎記者:
こちらに行ってみましても、さらに段ボールの壁が続きます。

こうした行き場のない“アベノマスク”の保管費用は、2020年8月から2021年3月までの期間で6億円以上。今もお金がかかり続けている。

不良品に約15億4000万円

その在庫には不良品問題も明らかになった。

岸田首相:
約7100枚のうち約1100万枚、約15%が不良品でありました。

厚労省が検品した“アベノマスク”のうち、実に15%ほどが不良品だった。1枚あたりの調達費用は約140円のため、不良品に約15億4000万円が使われたことになる。

倉庫にはその不良品が残されていた。

風巻隼郎記者:
こちらの段ボールを見てみますと「不良品」に丸が付けられています。

年度内廃棄へ

国会でも追及された“アマリノマスク”について、岸田首相は大きな決断を下した。

岸田首相:
布製マスクの政府の在庫について、ご希望の方に配布し有効活用を図った上で、年度内をめどに廃棄を行うよう指示をしました。

岸田首相は「初期の目的は達成した」として、「希望者に配布した後2021年度中をめどに廃棄する」と発表した。

安倍政権の“負の遺産”と化した“アベノマスク”。

22日、松野官房長官は希望者への配布に向け、準備を進めていることを明らかにした。

松野官房長官:
可能な限り早く開始できるよう準備を進めている。

「希望者への配布」問い合わせが殺到

配布を求める動きはすでに出始めている。

厚生労働省を取材すると、岸田首相の廃棄発言を受け今朝から“アベノマスク”をもらえるのかといった問い合わせが殺到。担当者が“昼食も取れないほどの忙しさ”だという。

子どものために使い、今回も配布を希望するという大阪府に住む女性に聞いた。

大阪府在住40代女性:
小学校になる長男がいるんですけども、肌が弱くて“アベノマスク”しかつけてくれない状態でして、自宅にある(アベノマスク)数枚を洗いながら繰り返しずっと使ってるんですけど。厚労省にずっと電話してるんですけど、ずっとつながらない状態でして大変困ってます。

東京23区に聞いたところ、5つの区(目黒、中野、豊島、大田、足立)で住民から「欲しい」との問い合わせが増えたという。

希望者への“アベノマスク”配布について、厚労省は「配送料は国が負担、配布は一定数以上、何枚からとするかなど、制度設計を急ピッチで進めている」としている。

(「イット!」12月22日放送)

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