日替わりで5種類 たっぷり生クリーム×果物

名古屋市に缶に入ったケーキのテイクアウト専門店がある。食材を地元三河産にこだわる豊橋出身の男性が、2021年9月にオープンした。

いちごやキウイなど、旬のフルーツが生クリームと一緒に缶に詰まったこのスイーツは、見た目のかわいらしさと美味しさで話題だ。

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名古屋市中区錦三丁目にあるスイーツのテイクアウト専門店「Heart to Heart栄」。看板商品は、缶に入ったケーキ「パルペ缶」(1缶750円~)だ。

「パルペ」とは、韓国語で「パフェ」の意味。アクリル製の透明の缶の中にスポンジケーキとクリーム、フルーツを詰めたケーキで、美しい断面が特徴。

フタを開けてみると、たっぷりのクリームの中にフルーツが埋まっていた。

パルペ缶は「いちご」(790円)や「キウイ」(790円)、「モンブラン」(850円)に「ティラミス」(750円)など、日替わりで5種類が揃っている。

女性客A:
インスタを見て、シャインマスカットといちごとチョコ

男性客A:
インスタで見て4つ買いました。家族に

お客さんの多くは、お店のSNSを見て来店。1日200個限定のパルペ缶は、日によっては開店1時間で売り切れてしまうという。

ケーキの食材は三河産 地元を愛する店主が手作り

この店を切り盛りするのは、愛知県豊橋市出身の馬飼野亮太さん(27)。

馬飼野亮太さん:
いちごは田原の農家のもの。シャインマスカットは豊橋の農家から買わせていただいています

食材は地元三河産のものにこだわっている。

パルペ缶は全て手作り。スポンジは、豊橋のケーキ店が焼いたものを缶の大きさに合わせてカット。甘さ控えめでフワフワな食感が特徴だ。

カットしたフルーツを内側から貼り付け、馬飼野さんの親類が営んでいるという牧場の生クリームを詰めていく。

女性客B:
甘すぎないクリームです。なめらか。ふわふわしておいしい

女性客C:
くどくなくて、さっぱりしているから。甘いいちごと合っておいしいです

コクがありながらもあっさりしていると好評の生クリームを詰め、機械でフタをすれば完成だ。

実家の居酒屋の危機に…姉とスイーツ店を開業

パルペ缶が生まれたのは、新型コロナの影響で馬飼野さんの実家が営んでいる居酒屋が、存続の危機に陥ったことがきっかけだった。

馬飼野亮太さん:
自分たちの農家さんとのつながりを活かして、なんとか再興できないか…。飲食店でエンターテインメントをしたいというか

2020年、豊橋の実家のそばで姉と一緒に「Heart to Heart」の1号店をオープン。姉が韓国好きということもあり、ミルクを瞬間冷凍させ削って作る韓国版かき氷「ピンス」(1個500円~)を看板商品にした。

そして、2021年9月に名古屋に2号店を出店。ピンス同様、韓国で流行っていた缶にフルーツを詰めたパルペに着目。テイクアウト専門店を開いた。

「パルペ缶」で地元・豊橋の魅力を発信

海外スイーツをヒントにしているが、馬飼野さんが一番大切にしているのは地元の豊橋だ。

名古屋大学を卒業した馬飼野さんは一旦、大手保険会社に就職するが1年で退職。その理由は、ある夢を追いかけるためだった。

馬飼野亮太さん:
ボートレーサーになりたくて…。ボートレーサーって地元で走ると、地元のファンがいるんですよ。そういった意味でも豊橋を盛り上げられるかなと…

夢を実現させるためにボートレーサーの養成所に入ったが、馬飼野さんを不幸が襲った。

馬飼野亮太さん:
一過性の甲状腺機能低下症という病気になってしまって…。1カ月入院して、その後(養成所を)退所した

残念ながらボートレーサーの夢は断念したが、豊橋を盛り上げたいという思いは変わらず、店を立ち上げた。

馬飼野亮太さん:
今後は、冷凍して全国に届けられるようなスイーツを。名古屋だけでなくいろんな所で挑戦したい

「地元を出て豊橋発をアピールすることで、豊橋の魅力を伝えたい」というのが、馬飼野さんの思いだ。

缶に入ったケーキ「パルペ缶」を販売する「Heart to Heart 栄」は、毎週金・土・日の3日間営業。詳しくはインスタグラムの公式アカウントで確認を。

(東海テレビ)

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